ミニシアター界隈を熱狂(震撼)させた映画『オオカミの家』の公開から、約1年半ーーー。本作を手がけたチリの2人組監督クリストバル・レオンさん&ホアキン・コシーニャさんが待望の新作を生み出したようです。
『オオカミの家』といえば、『ミッドサマー』で知られるアリ・アスター監督が「ひと晩に何度も観た」と大絶賛していたことでもおなじみ。今回の新作は「何が飛び出すかわからない “映画の闇鍋” 」ともいわれているらしく、前作と負けず劣らず、すっごくパンチがありそうだぞ……。
【あらすじ】
レオンさん&コニーシャさんの監督デュオによる新作のタイトルは『ハイパーボリア人』。もはやタイトルだけでは内容の想像がつかないといいますか、この時点ですでに闇鍋っぽさを感じてしまいますね。
<あらすじ>
女優で臨床心理学者でもあるアントのもとに、謎の幻聴に悩まされるゲーム好きの患者がやってきます。彼の話を友人の映画監督レオン&コシーニャにすると、2人はその幻聴は実在したチリの外交官にして詩人、そしてヒトラーの信奉者でもあったミゲル・セラーノの言葉であることに気づくのです。
レオン&コニーシャは、このエピソードを元にアントの主演映画を撮ろうと提案しました。言われるがまま撮影に挑んだアントでしたが、いつしか謎の階層に迷い込んでしまい……?
【予告がカオスすぎる】
ハイパーボリア人とは「クトゥルフ神話」に登場する架空の民族のこと。そして、あらすじを読んでいただければわかるとおり、本作には監督自身も出演しています。
YouTubeに公開された予告編は、アナログでアーティスティックで、そこはかとなく不気味。
主人公のアントを演じているのはご本人であり本物の人間なのですが、そのほかの出演者は人形やアニメ。実写や影絵などさまざまな表現手法をごちゃまぜにすることで、現実と虚構、過去と現在の境界がわからない構成になっているんですよ。
悪い夢を見ているようだし、すべてが曖昧であやふや。時空のゆがみに迷い込んでしまったかのような、えも言われない恐怖を感じてしまいましたヨ……。
【いつ公開?】
『オオカミの家』より難しく、『オオカミの家』よりおもしろいという本作。目に映るすべてが “想定外” であり、予測不能な闇鍋映画として唯一無二の存在感を放っています。
通常は予告を鑑賞することで「こんな映画なのね~」と理解できるものですが、本作に関しては予告がさらなる混乱を招いており、頭の中が「?」でいっぱい。無理に理解しようとせず、頭をからっぽにして飛び込んでいくことで、いまだかつてないほど刺激的な体験ができるかもしれません。
ちなみに、本作は第77回カンヌ国際映画祭監督週間に正式出品されています。日本では2025年2月8日からシアター・イメージフォーラムほか全国の劇場にて順次公開されるほか、世界4大アニメーションフェスティバルにも出品された短編『名前のノート』も同時上映されるそうで~す!
参照元:『ハイパーボリア人』公式サイト、YouTube、Twitter(現X)@leonandcocinaJP、プレスリリース
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:© Leon & Cociña Films, Globo Rojo Films
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