朝ドラ「あんぱん」(NHK)で注目を集めたやなせたかしさんの故郷・高知県。実は東西に約190kmと、もんのすごく長いんです。

高知龍馬空港は高知市の東隣、南国市にあるのですが、この南国市は県内ではやや東側です。「香美市立やなせたかし記念館アンパンマンミュージアム」も東側。室戸岬も東側。

じゃあ高知の西側には何があるの?ってことで、プレスツアーに参加してきました。なかなか行けない西部エリアですが、ここでしか味わえない絶景や幻のグルメがあるんです。

いざ土佐清水市へ、レッツゴー!

【幻グルメ「土佐の清水さば」】

まずは高知県土佐清水市のブランドさば「土佐の清水さば」をご紹介します。水揚げから調理される直前まで、品質と鮮度を厳しく管理されているという究極のゴマサバです。

仕掛けは自然の潮流を活かし、立縄漁法で1匹ずつ丁寧に釣り上げられているのですが、引き揚げるまでにサメに食べられてしまうこともあるのだとか。なのでお店で出会えたらほんっとうにラッキー!

今回は土佐清水市内にある「お食事処 あしずり」さんでお刺身やごま仕立ての「土佐の清水さば」をいただきました。


腹側と背側で提供されたお刺身をいただいたのですが、歯ごたえやプリプリ感がまったく違う! 青魚特有の臭みもまったくなく、今まで食べたことのないお魚を食べているかのような旨味と脂。秋冬ならではの土佐の味覚に衝撃を受けました。

ほかにも「長太郎貝」のグラタン仕立てをいただいたのですが、こちらも旨味の濃さが半端ない! 一般には「ヒオウギガイ」として流通している貝だそうですが、私ははじめて食べました。色とりどりの貝殻が可愛くて思わずパシャリ。

■御食事処 あしずり

住所:土佐清水市元町3-15
営業時間:11:00~14:00 / 17:00~20:00
定休日:不定休
駐車場:7台
TEL:0880-82-0825
参考リンク:清水さば御食事処 あしずり

【行きは良い良い…絶景洞門】

続いては足摺岬(あしずりみさき)。高知県では室戸岬とならんで知られる岬で、名前をご存知の方は多いかもしれません。今回はその足摺岬にある天然の洞門「白山洞門」を見てきました。

山の中に歩道が敷かれており、海岸へと降りていきます。めちゃくちゃ、かなり、降りていきます。そう、帰りのことを考えたくないくらいに……。

いざ目の前で見る白山洞門の迫力はすごかった! 角度によってはハート型に見えるのも素敵。高さ16m、幅17mで花崗岩洞門としては日本一の規模なのだとか。


ラパキビ花崗岩という日本では足摺岬以外に見られないめずらしい岩石から、このあたりの地形が1300万年前のものと分かっているというのもスゴい。白山洞門は、一体どのくらいの時間を経てこの姿になったのかなあ。

帰りは、下まで降りた自分を恨みつつヒィヒィ言いながら地上まで戻り、足摺岬にある「白山洞門展望 万次郎足湯」へ。眼前に広がる雄大な太平洋と沈んでいく夕陽を見つめながら、崖登りで酷使した足を労りました。

■白山洞門/万次郎足湯

住所:高知県土佐清水市足摺岬482-1
営業時間:8:00~19:00
定休日:水曜日
利用料金:無料(タオルは100円で販売)
駐車場:道路を挟んで向かい側に市営駐車場20台
問い合わせ:あしずり温泉協議会 TEL 0880-88-0988
参考リンク:土佐清水市観光協会 白山洞門万次郎足湯

【星空に抱かれるホテル】

宿泊先は、太平洋を一望する絶景のロケーションに佇む「アシズリテルメ」。足摺半島の高台に位置するホテルで、270度以上のパノラマを誇る展望台が魅力! 太平洋に沈み、昇る太陽を一望でき、夜は満天の星空を楽しめます。


夜に実際に展望台に行ってみたら、そこには息を呑むほど圧倒的な星空が……! 空を「天蓋」と称する理由がわかるほど、星々がまあるく天を覆っていました。


まるで宇宙の中に放り出されたかのような光景に、寒さも忘れてしばし呆然。都心では絶対にみられない圧巻の星の夜空でした。写真で伝えられないのがもどかしいっ。

また、天然のラドン温泉を楽しめるのもこちらのホテルの魅力のひとつ。あしずり温泉郷は1200年前に弘法大師が疲れを癒やしたという言い伝えがあるんですって。デザイナーズホテルとして開業した経緯から、館内の至るところが絵になるのもポイントです。

■アシズリテルメ

住所:高知県土佐清水市足摺岬字東畑1433-3
電話:0880-88-0301
チェックイン:15:00~18:00(18:00を超える場合は必ずご連絡ください)
チェックアウト:7:00~11:00まで
参考リンク:アシズリテルメ

【海と地続きの水族館】

最後にご紹介するのは足摺海洋館「SATOUMI」。登録有形文化財である「足摺海底館」のほど近くにある水族館です。日本初の海中公園に指定された竜串(たつくし)湾を一望できる絶景ロケーションがまず最高!

「あらゆるいのちは海とつながり、海と生きている」ことを学び、遊び、楽しむことができる施設として、足摺エリアの自然環境を辿っていく構成で展示されています。竜串湾は暖かく、サンゴ礁にウミウシ、熱帯・亜熱帯の魚類が多く見られるダイビングスポットでもあるそう。

足摺の森や川を再現した水槽を経て、圧巻の竜串湾大水槽!


絶滅してしまったニホンカワウソの近縁種であるユーラシアカワウソなども展示されていて、水族館好き、生きもの好きにはたまりません。深海エリアの展示では深海に住む「カンテンウミフクロウ」の貴重な産卵が確認でき、「昨日まではなかったのに!」と職員さんも大興奮(笑)。

展示を通して、目の前の海や海の生きものに興味を持ち、眼前に広がる自然の海へと出かけるきっかけになってほしいとの願いが込められた水族館。定期的な企画展やイベントも開催されているので、より足摺エリアの魅力を知りたいという方にぜひ立ち寄ってほしい施設です。

■高知県立 足摺海洋館 SATOUMI

住所:高知県土佐清水市三崎4032番地
営業時間:9:00~17:00
入館料:大人1200円、小中高生600円、3歳以上300円
参考リンク:足摺海洋館「SATOUMI」

【西部エリアならではの魅力】

土佐清水市には、冬の海や川の透明度、夕陽や星空の美しさ、秋から冬にかけて美味しくなる魚介類など、ぜひ1度は体験していただきたい魅力がギュウギュウに詰まっていました。

冬の旅の行き先にお悩みの方はぜひ、高知県西部を候補に入れてみて……!

参考リンク:どっぷり高知旅
執筆・撮影:森本マリ
Photo:(c)Pouch