【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選して紹介します。

今回ピックアップするのは、ヒュー・ジャックマン&ケイト・ハドソン主演映画『ソング・サング・ブルー』(2026年4月17日公開)。ケイト・ハドソンは本作の演技で第98回アカデミー賞主演女優賞候補になりました! 試写で拝見しましたが、ハリウッドの王道をいく傑作だったのでご紹介します。まず物語から。

【物語】

人生を歌に懸けていたマイク(ヒュー・ジャックマンさん)ですが、現実は厳しく、歌手の歌まねでしかステージに立つことができませんでした。そんな彼が出会ったのは同じく歌に情熱を注ぐクレア(ケイト・ハドソンさん)。意気投合し、ふたりは敬愛する歌手 ニール・ダイヤモンドのトリビュートバンド「ライトニング&サンダー」を結成。

このバンドが人気を博し、ライブも大好評。二人は最高に幸せなときを迎えますが、突然、不幸がクレアを襲うのです。

【ものまね歌手からトリビュートバンドへ】

ヒュー・ジャックマン主演の最新作! というくらいの知識で試写で鑑賞したのですが、これが素晴らしかった。何がいいかというと、音楽が人生を豊かにし、家族の絆を深め、歌手の人生を確実に彩っていく姿をしっかり描いているから。そして売れるためにはアイデアとガッツ、そして柔軟性が必要であることも教えてくれます。

というのも、マイクは頑固でこだわりが強く、ステージでは自分の好きな曲しか歌わなかったんです。「これが一番いい曲なんだ!」と言うのですが、聴衆が求めていなければ盛り上がるわけがない。そんな彼を変えたのがクレアです。

ふたりは歌手としてのケミストリーも抜群であると同時に恋愛の相性もよかったので結婚。そして歌手のものまねではなく「尊敬する歌手の素晴らしい楽曲を自分たちらしく歌ってみよう」と既存の歌にオリジナリティを加えて、披露したら大当たり! 売れた曲だからウケたわけではない。歌手へのリスペクトがあるから歌に心がこもっているんです。

【一緒に歌いたくなるライブシーン】

マイクとクレアが出会って「ライトニング&サンダー」としてニール・ダイヤモンドの楽曲をふたりで歌唱するシーンは、まさにライブ! ヒュー・ジャックマンさん、ケイト・ハドソンさんともに歌唱力が抜群なので聴き惚れちゃうし、ノリがいい曲も多いので、試写室にいるのに足でリズムを取りたくなっちゃいましたよ。

ちなみにニール・ダイヤモンドは1960〜80年代に人気を博した歌手。日本の昭和歌謡みたいな感じですかね。ポップで口ずさみやすい曲が多く、劇中、何度か歌われる『スウィート・キャロライン』のサビは一度聞いたら忘れられない。私はヒュー、ケイトと一緒に脳内で歌っていました!

【ヒロインの再生を支える家族愛に涙】

クレアの身に起こったことは一応ここでは伏せますが、「歌手を続けられるか否か」の大きな事件でした。しかし、自暴自棄になったクレアを支えたのは家族。マイクはもちろんですが、娘のレイチェル(エラ・アンダーソンさん)もよかったですねえ。

最初はいまどきのチャラい娘のように登場しますが、落ち込むママを支え、ときには気合いを入れて、愛情を注いでいく姿を見て、「いい娘さんですね」とクレアに直に言いたくなるほどでした。マイクとクレアは周囲にいい人がいっぱいいるんですよ。クレアが再生できたのも周囲の愛の力が大きいなあと思いました。

【ケイト・ハドソンの魅力炸裂!】

ヒューの大熱演も見ものですが、この映画最大のチャームポイントはケイト・ハドソンさん! 表情が豊かで愛嬌があって笑顔が素敵でとにかくかわいい。クレアの山あり谷あり人生を体当たりで演じ、自分のものにしていました。アカデミー賞主演女優賞候補になったのも納得の名演!

キャラクター、物語ともにわかりやすく、夫婦愛、家族愛に加えて、歌の感動もプラスされたハリウッドの王道映画。ぜひ劇場でマイク&クレア、ふたりの歌と感動のドラマを楽しんでください!

執筆:斎藤 香(c)Pouch
Photo:© 2025 Focus Features LLC. All rights reserved.

ソング・サング・ブルー
2026年4月17日(金)より全国ロードショー
監督・脚本 : クレイグ・ブリュワー
原作ドキュメンタリー:グレッグ・コース
出演:ヒュー・ジャックマン ケイト・ハドソン エラ・アンダーソン ハドソン・ヘンズリー キング・プリンセス マイケル・インペリオリ フィッシャー・スティーヴンス ジム・ベルーシ ムスタファ・シャキール ジョン・ベックウィス ジェイソン・ワーナー・スミス シシリア・リデット ショーン・アラン・クリル