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日本人なら誰でも経験している肩こりと腰痛。ほんとツラいよね。デスクワークってずっと同じ姿勢だし、オシャレな靴は、たいてい歩きづらいし。記者も定期的にマッサージに通っています。

今回はその腰痛肩こりの意外な原因について、愛知県のスポーツクラブでボディケアを担当している速水先生にお伺いしました! スポーツ選手のマッサージも手がける速水先生は、ご自身も以前はアスリートだったそう。現代人の体とコリを熟知している先生、今日はよろしくお願いしまーす!

■ コリは時代を反映している?

まず、腰痛肩こりの意外な原因って、どんなものがあるんですか?

料理男子腰痛ですね。キッチンのカウンターは女性の身長を基準にして作ってあります。築年数の古い部屋に住んでいる料理男子には、カウンターが低すぎるんですね。背中を丸めたまま慣れない作業を続けて、肩こりや腰痛になった方がいらっしゃいますよ。背の高い女性も、古い造りのカウンターは合わないみたいです」

へえー。よく料理をする人は、引越しのときにカウンターの高さも考えないとね。ほかには? ほかには?

「続いて、スマホ腰痛です。これは、ガラケーからスマホに変えた直後の人に多く見られます。ガラケーとスマホでは、画面を見る首の角度が変わります。二つ折りタイプのガラケーよりも、スマホのほうがちょっと首を下に向けますよね? 機種変したばかりのときって、設定をカスタマイズしたりアプリを探したりと、通常以上に画面を見っぱなしです。眼性疲労からくる疲れと慣れない首の角度からくる疲れのダブルパンチで、最初は肩こり、続いて腰にまできちゃうんです。これは急性なのでマッサージが効きやすいです」

あー、実はワタシ、これで速水先生のマッサージを受けました。張本人です、はい。

「ちょっと変わったのが柔軟材肩こりです。最近、いい香りの柔軟材が増えてきてますよね。きつい香水で頭痛がするのと同じで、柔軟材が原因で慢性的な頭痛がおきて、そこから肩こりが始まってる方もいらっしゃいました。柔軟材を切らせたとたんに頭痛と肩こりが消えて、原因が判明したそうです」

ええー、そうなんだ! ワタシはそういうの全然ないな、柔軟材もお気に入りをブレンドして使ってるよ! 「鈍感でよかったですね」って、え、あ、はい。

「女性のブラひも肩こりというのもありますね。バストアップや谷間メイクのためなのか、最近のブラひもはけっこう固めになってきています。暴飲暴食で2~3キロ太ったとき、太った体にあわせてブラひもを調整する人はあまりいないです。そういう人は、ブラひもの喰い込んだ痕がクッキリついているのでわかりますよ」

ドキッ! 思い当たるふしがありまくりです! す、すぐ痩せるから大丈夫……かな? 「そういう、現状に甘い人がすぐ痩せるわけないですね」とのこと。……おっしゃるとおりです。

■ モニタにむかって微笑んで

全身の筋肉はつながっているそう。速水先生によると、肩こりの原因は肩じゃないかもしれないって。デスクワークが多い人は何に気をつければいいですか?

「まずキーボードの位置を確認してください。肘の角度が90度よりも小さかったら、椅子の位置が低すぎです。クッションなどを使ってもうちょっと高くしましょう。モニタの角度もちゃんと調節してくださいね。腕の位置がよくなっても、今度は顎の位置が変わって、首からくる肩こりになってしまいます。
それから、肩こりの人は表情が強張っているのも特徴。できるだけ表情豊かに過ごしてください」

そうなんだ、たしかに、モニタと向かい合う生活って、無表情かも……。

■ とにかく血行をよくしよう

コリがでてきたらどうすればいいですか? 

動かすこと、伸ばすこと、これに尽きます。どうしてかというと、血行をよくするから。
ケガで手術をしたアスリートは手術後患部を動かさない、と思われがちですが、術後すぐにトレーニングを開始したほうが血行がよくなって治りが早い、と主張するドクターもいらっしゃいますね。
マメに動かすことと伸ばすこと。『10年間苦しんだガンコな肩こりも腰痛がたった5秒で消えてなくなる!』なんて運動やストレッチはないんですよー! あるとすれば、魔法ですね、こっちの商売あがったりです(笑)。そんな魔法を探すよりは、普段からコツコツケアするほうが早いです。ストレッチの方法なんか、探せば山のようにありますから、自分が続けやすいものをやりましょう」

■ のめりこみやすいタイプはご用心!

肩こりや腰痛になりやすいタイプってありますか?

何かに熱中しだしたら時を忘れてしまうタイプが要注意ですね。本やマンガを読み出したら、読み終わるまでそのまま同じ姿勢、とか。痛くなってから気づくんですね。
こういう人は、『よし、血行を良くするために運動するぞ!』となると、とことんやりすぎてどこか痛めたり、キツくて嫌になって止めちゃうんですよ(笑)。誰だって、キツいのは嫌ですからね。『運動したらキツくて苦しかった』って、脳にネガティブな思い出を刻み付けると、続きません。苦行になるような運動をする必要はないので、『ちょっと物足りないな』ってくらいで止めておくのが長続きするコツですよ」

そうか、無理してキツいことをする必要ないわけね。

■ 彼にマッサージするときのコツ

最後に先生、彼にマッサージしてあげるときのコツってありますか? マッサージ上手は男心をつかみますよね! ぜひぜひ教えてくださーい!

肩が凝っているときは、首や腕や背中のどこかも必ず凝っています。氷を溶かすように、周りからほぐしていってください。
やりがちなのは、カチカチにこわばった筋肉を、力いっぱいつまんだり、親指でぎゅうぎゅう押したりすること。筋肉が痛んでしまうから、絶対にやめてくださいね。手のひらの下半分をつかって、老廃物をじわっとゆっくり押し流してあげましょう。例えて言えば、スマホの保護フィルムに入った気泡を、ゆっくり外に押し出すような感じですね。

保護フィルムの気泡を押し出す感じ! わかりやすーい! いいなあ、速水先生の彼氏や家族は幸せだろうなぁ、毎日プロのマッサージが受けられて。

「ちゃんと技術料とってますよ、多少は割引してますけど」

ギャ、しっかりしてる!  じゃあ、先生がコリを感じたときはどうやって解消しているんですか?

「クラブで踊り狂います。全身使うから気持ちいいですよ!」

へえー! 意外な一面。

「自分が心から楽しめることをやるのが一番ですね。ちょっと嫌なことがあっても、踊りに行っちゃえばいいもん! みたいな、自分ならではの特効薬を持っておくといいんじゃないかな、と思います」

コリもストレスも、慢性化する前に小出しにしないといけないってことね。速水先生、ありがとうございました!

(取材・画像・文=綾部綾)