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「肉の大山」「カドクラ」など名だたる酒場が密集するエリアであるアメ横商店街エリア。

ここら一帯では、宵の口はさることながら酒を求める飲兵衛たちで昼間から賑わう店も珍しくありません。その一角にある「たきおか」は、創業8年ながらすでに近隣に2号店、3号店を持ち、その勢いは留まるところを知らない有名店。上野界隈、いや東京の飲兵衛でこの店を知らない人はいないと言っても過言ではないほどに連日満員御礼の立ち飲み屋、それが「たきおか」です。

驚くべくはその開店時間。驚くなかれ、なんと午前7時だそう。上野の夜を我が物とする「たきおか」が見せる、朝の顔とは。

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◆上野の朝は早い

平日の午前6時35分。薄暗い通りを駅に小走りで向かうサラリーマン風男性とすれ違いつつ「たきおか」へ。

開店時間よりだいぶ早くやってきたボサ髪の女に少々戸惑った様子を見せながらも「ちょっと待っててね!」と声をかけてくれたのはおそらく大将。店頭の焼き台では、朝の景色になじまない煙を上げながら串類がくるくるとテンポよくひっくり返されます。よし、あとで食べよう。

周辺にあるのは、「たきおか」の後を追うように午前10時から開店する「カドクラ」や「大統領」などこれまた人気居酒屋。そこに忙しなく運び込まれるビールケースを眺めながら待つこと10数分。「はいどうぞ! おひとりさーん!」と案内され、カウンターの一角を陣取ります。

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◆リーズナブルな肴は60種以上

同店のシステムは、注文ごとに代金を支払うキャッシュオンデリバリー方式。こういうお店では、目の前の灰皿に小銭を用意しておくのがちょっとした流儀です。

ビール大瓶410円、チューハイ310円と“ザ・上野価格”のドリンク類に続き、煮物・焼き物・刺身など60種類以上ある肴は、たとえば揚げナス190円、ゲソ唐揚げ210円、まぐろ刺身220円とどれも160円から300円台と気軽な値段で揃います。これならドリンク2杯とつまみ2品頼んでも1000円あれば十分です。

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◆空きっ腹にハイボール

まだ誰もいない店内で注文したのは、ハイボール310円と先ほど焼かれたばかりのナンコツ串130円(2本)。それから、あじなめろう220円に手羽先唐揚げ250円。いずれも注文から2分以内には提供されるスピード感がたまりません。

空っぽの胃に染み渡る濃いめのモーニングハイボールと塩味きつめのナンコツ串は最高のマッチング。みょうが、ねぎと共に粗くたたかれたあじなめろうは2人で分けても充分な量です。そして、黒コショウを効かせたジューシーな手羽先唐揚げは、早くも再訪を誓ってしまうほどの仕上がり。

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◆朝のたきおかを訪れる人とは

時刻は午前7時30分。ちょっと肉食寄りな朝食を頬張りながら店内を見回すと、カウンターにはいつの間にか10人以上の男性客が並び、酒を片手に新聞を読んだりテレビを見たりと思い思いに過ごしていました。さっき仕事を終えたばかりですわ、といった感じの方々もいれば、出勤前にモーニング的な使い方をするサラリーマンも。

「あぁたまにね、ほんとたまにですけど、ここで1杯飲んでから出勤するんです。内緒ですよ」と隣の40代男性。もちろん内緒にします。「チェーン居酒屋で24時間営業ってのは最近よく聞くけど、そういうのは愛がないんだよ、愛が」と奥の70代男性。こちらの方はすでに会社を退職され、週に1度は奥さんの目を盗んで飲みに来るのだそう。

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早い・安い・旨いの三拍子を徹底した立ち飲み屋「たきおか」。朝飲みを企む人に強くおすすめしたい店です。

店舗情報 【たきおか】
・東京都台東区上野6-9-14
・03-3833-2777
・月~土 7:00~23:30/日・祝 7:00~22:00
・年中無休

撮影・執筆=井上こん(c)Pouch