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東京・上野にある、創業100年余りの老舗和菓子店「うさぎや」。真っ赤なお目目がキュートな同店の名物「うさぎまんじゅう」をはじめ、甘さ控えめの小豆餡で作った「どらやき」や「最中」などの各種和菓子には定評があります。和菓子好きなら、ご存知の方も多いかもしれませんね。

この「うさぎや」さんが今年7月、本店からほど近い場所に「うさぎやCAFE」をオープン! おしるこにハードチーズを入れて味わうという型破りの「うさ志る古(しるこ) フロマージュ」を食しに足を運んできました。おしることチーズだなんて、合うのかしら……?

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【なぜかお店がハワイアン】

店内に足を踏み入れると、そこは……。ハワイ!? 店内に流れているウクレレの音楽や、店内のディスプレイがなんとなくハワイなのです。店員さんに話を伺ってみたところ、お店のモットーは「ハワイやブラジルに移民した人たちにも喜んでもらえる和菓子を提供したい」とのこと。なるほど、それで南国っぽい雰囲気なのですね! とはいえ、店内はとても落ち着いた印象です。

【おしることチーズは合うのか?】

かねてから狙いを定めていた「うさ志る古 フロマージュ」(800円)を、コーヒー付きのドリンクセット(1240円)で注文することに。本当は日本茶のセットを頼もうと思っていたのですが、店内に入った瞬間に漂う挽き立てのコーヒーの香りにやられました……! ドリンクは牛乳で餡を溶かしながら飲む「うさ餡みるく」も選ぶことができます。

お店で供される日本茶やコーヒーは、「ハワイウォーター」を使って淹れているそうです。超軟水のため、まろやかな味に仕上がるのだとか。

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「うさ志る古 フロマージュ」がやってきました。2枚添えられた最中の皮がステキ。2枚ついている最中は「1枚目にはお汁粉をのせて、2枚目はお汁粉の中に入れて食べるといいですよ(店員さん談)」とのことだったので、まずは乗せて食べてみました。

香ばしい最中に小豆餡とチーズがマッチ……とは言い難い印象。ふっくら、あっさりとした味に仕上がった小豆餡は極上なのですが、ハードチーズ(おそらく今回はエメンタール)の強烈な香りに負けちゃっている気がしました。

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続いて、最中の皮を崩してお汁粉の中に入れて食べてみました。ふやけたところをいただくと、食感の違いが感じられるのがいいですね。インパクト大のハードチーズは季節ごとに変えているそうですよ。それにしても、「おしるこにチーズを入れる」というアイデアはどこからきたのか気になる……店員さんに尋ねてみました。

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現在の店主は学生時代にブラジルへ行ったことがあり、その際に「羊羹にチーズをサンドしたお菓子を現地の人にすすめらて、食べてみたら美味しかった」のだそう。この経験が「おしるこフロマージュ」のヒントになったようです。

確かにどら焼きバターは美味しいと思いますが、おしることチーズは……。うさぎやさんの小豆餡はさっぱりした味なので、合わせるチーズもあっさりしたリコッタのようなフレッシュチーズの方が、しっくりくるかもしれません

【店員さんがとにかく親切!】

余談になりますが、今回は潜入取材のため、写真撮影に苦労しました。ライトの明るさに苦戦していた、そのとき……!! 男性の店員さんが「照明を変えましょうか?」と言ってくれて大感激!! また、女性の店員さんには、「裏メニューであんこに合う日本酒がある」というお話もこっそり教えていただきました。なんなの、なんでこんなに親切なのッ!?

15時以降は「タロイモチップス」(600円)をつまみながら「ハワイアンビール」(値段不明)が飲めちゃいます。記者(わたし)が訪れたのは平日の15時半でしたが、すでにビールを飲んでいる地元の人らしき男性たちがいました。

帰りは「うさぎや」で、どらやきと最中を買って帰宅。どらやきにはちょっとうるさい家族に味見してみてもらったところ「今まで食べていたどらやきとは別次元のおいしさ」ということです。うさぎやのどらやきは、ふわっとした生地と小豆餡のハーモニーが最高なのです。

フロマージュでエキセントリックに楽しむか、伝統の味をいただくか。ご判断はみなさんにお任せします。記者は裏メニューの「あんこに合う日本酒」を飲みに、うさぎやCAFEにまた足を運ぼうと思います♪

▪︎うさぎやCAFE
住所 東京都台東区上野1-17-5
電話 03-6240-1561
営業時間 11:00〜 20:00/水曜定休

取材・撮影・執筆=sweetsholic (c)Pouch