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全国の善男善女のみなさん、こんにちは!

原宿・太田記念美術館で開催されている浮世絵展「江戸の悪」。Pouchでも以前ご紹介しましたが、江戸に限らず古今東西のダークヒーロー&アウトローを選んで一気に紹介するという、アグレッシブな企画です。

「浮世絵には版画と肉筆画の二種類がある」ということ――いいえ、実のところ浮世絵が基本的に版画が主体であることすら知らなかった記者(私)ですが、そのコンセプトに心を打たれて、原宿まで行ってまいりました! 遠路はるばる、名古屋から! これがまあ、本当にむちゃくちゃ面白くて、行った甲斐がありましたわ!

【いざ原宿! 太田記念美術館はこんなところ】

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浮世絵専門の太田記念美術館は2階建て。館内は、中央が吹き抜けになっています。1階には畳や石灯籠が置いてあって、室内でありながらお庭のよう。休憩がてら、のんびり座って鑑賞できるんですよ。

■ 見どころその1『悪人度』

今回の展示のメインは、もちろん悪人と悪事。紹介されているのは蘇我入鹿から吉良上野介、盗賊にストーカー、怨念こもった幽霊から妖術使い、スケールの大きな公家悪までさまざま。よくもまあ、人間はこれだけ悪いことを考えつくものですね。

その紹介文の最後に、学芸員さんたちが考えた「悪人度」が五段階の★マークで記されているんです。「うんうん、コイツはワルい! 納得の★5つ」と頷くものあり、「えーっ! ★3つは多すぎじゃない?」と首を傾げるものあり。自分の感じる悪人度を、お友達同士で語り合いながら鑑賞するというのも新しい楽しみ方です。

■ 見どころその2『生々しい血痕』

浮世絵の画風って、かなりデフォルメがきいていますよね。威圧感のあるまなざしなのに目の焦点が合っていなかったり、人体の肉付きが考えられないほどいびつだったりと、一風変わっています。

今回の展示は、古今東西の悪事や刃傷沙汰の特集ですので、多量の血痕や血しぶきが登場。なぜかこの血だけが妙に生々しい!「これ、本物の血なんじゃないかしらん?」と思ってしまうくらいの迫力なんです。

■ 見どころその3『衣装』

悪人や悪事の本質に、貧富の差や地域性や時代背景はそれほど関係ありません。人間には、生まれながらにして持っている共通の悪い素質があるのかもしれませんね。

着物好きな記者は、悪人や被害者たちが身にまとっている衣装に注目。着るものは、人間の人となりや身分、時代背景を雄弁に語っているのです。浮世絵の絵師は、着衣にもこだわっているのが見てとれました。

■ おまけ

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太田記念美術館には、地下に手ぬぐいやさんがあるのです。小さなスペースですが、かわいい手ぬぐいがたくさん! 記者も、夏らしい金魚の手ぬぐいをゲット。思いがけず嬉しいおみやげを買うことができて、ウキウキしながら名古屋に帰ることができました。

「江戸の悪」は6月26日(金)まで。残りわずかとなりましたが、ぜひ足を運んでみてください。7月1日(水)からは「浮世絵の戦争画」という新しいコンセプトの企画展が開催されます。こちらも面白そうですね!

協力:太田記念美術館
画像:月岡芳年「英名二十八衆句 福岡貢」(太田記念美術館蔵)
執筆=綾部綾 (c)Pouch