『食べあるき築地場外市場』は、歩きながら食べられる築地場外市場のグルメをご紹介する、ちょっとB級グルメなコーナー。それでも実際に食べて味を徹底レビューするので、味はお墨付き!お友だちや同僚、ご家族や恋人と築地場外市場に行く際の参考にしてみてくださいね。POUCH編集部の覆面調査隊は、生麩・湯葉の名店『角山本店』を訪れました。

こしあんを包んだ滑らかな麩まんじゅう(税込み787円/5コ入り)は、一口で食べられそうなほど小ぶり。笹の香りがする麩まんじゅうは、ひんやりもちもちしていていくつでも食べられそう!生地に練りこんである青のりの磯の香りと、生麩の独特な味、そしてこしあんがしっかりマッチしています。こしあんは控えめな甘さで、上品な味わい。

さて、「生麩って一体何?」と思った方も少なくないことでしょう。生麩とは、小麦粉からとれるたんぱく質・グルテンにもち米を加えて作ったもの。日本の伝統食品のひとつです。もちもちとした食感と、粘り気のあるところがお餅と似ていますが、餅のようにはのびません。あっさりした味なので、他の食材とケンカしないのがよいところ。生麩は餅同様に、粟やよもぎ、ゴマなどを加えたバリエーションがあります。『角山本店』は、ビルの上階が工場となっているため、新鮮な生麩やゆばが手に入るのです。

東京の食卓に上がることはあまりない生麩ですが、実は東京でも江戸時代から親しまれていた食材だそうです。『角山本店』の方の話によれば、生麩はもともとは京都から伝わった食品で、これが江戸に渡り、徳川家康によって栃木にもたらされたのだとか。こういう食の歴史が聞けるのは、築地という町が江戸時代から始まった古い町だからかもしれません。

「夏は水まんじゅうがおいしいよ」と思っている方に、ぜひこのひんやりとした麩まんじゅうを味わってみてほしいと思います。つるんとした舌触りと喉越しのよさに、またひとつ手が伸びてしまいますよ。

【お店のデータ】

店名: 『角山本店』(かくやまほんてん)
住所:東京都中央区築地6-21-1
電話:03-3541-8184
営業時間 :5:30~14:30(土曜は14時まで)
定休日: 日曜・祝日、休市日
交通アクセス:地下鉄日比谷線1番出口より徒歩7分
ウェブサイトhttp://www.kakuyama.net