爽やかな酸味と、豊かな香りが魅力の発酵バター。製造メーカーにより味の違いはかなり顕著にあらわれるものの、コクがあるのにしつこさを感じさせないすっきりとした後味は一度食べたら病みつきになってしまいそう。パンに塗って味わえば、無発酵のバターとは異なる味わいに驚くはず。

また、洋菓子ではマドレーヌやフィナンシエといった焼菓子に発酵バターを使用することで、香りと味わいに深みをプラスすることもあります。パンよりも、ライ麦粉や全粒粉を配合したパン、ドライフルーツ入りのパンなど少々酸味のあるパンとの相性がよさそうです。

インターネット上ではカルピス社の高級発酵バター「特撰バター」や、2009年9月に丸の内にオープンしたフランスの発酵バターを取り扱うエシレの専門店「エシレ・メゾン デュ ブール」が話題を集めていますが、どちらものバターも毎日食べるには少々手の届きにくい存在です。

先日スーパーで買い物をしていたところ、お手頃価格の発酵バターを発見。こちらは乳製品に定評のある小岩井乳業から3月1日より発売されている「小岩井 醗酵バターホイップ仕立て」(380円/60g)で、香り豊かな発酵バターをホイップしてふんわり仕上げたというものです。

同社では今から100年以上も前から発酵バターの販売を手掛けているというから、新製品にも期待が高まります。購入して試食してみることにしました。

ビンの蓋を開けると、発酵バター特有の乳酸発酵の香りが広がります。パンに塗りやすいというので、木製のバターナイフでバターに触れたところ、「むむ……硬くて塗れそうにない」。

冷蔵庫から出して20分後、ようやく塗れるやわらかさになりました。「ふんわりやわらか~い」というわけではないけれど、塗りやすいのは確か。べーグルパンに塗って味わってみたところ、こちらの発酵バターは酸味が少々強い印象です。通常のバターに慣れている方が召し上がると、酸味が気になってしまうかも。

フランスパンやべーグル、食パンなど小麦の味がストレートに感じられる

パンに塗るだけで、手軽にフレンチトースト風味が楽しめるという「小岩井 フレンチトースト醗酵バタークリーム」(380円/60g)も販売中だというから、こちらも試してみたいものです。フレンチトーストと発酵バターなら、洋菓子のようなリッチな味わいが楽しめそう。

商品は全国のスーパーや百貨店等で購入可能ですが、現在は東日本大震災の影響により製造ができない状態のようです。小岩井乳業の担当者によれば、「いち早く製造できるよう全力を尽くしている」とのこと。再び店頭に並ぶ日を待つしかなさそうです。

(文・写真:sweetsholic)

参照元:小岩井乳業「今月のPICK UP」(http://bit.ly/3YUZp8

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