[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。
今週のピックアップは遂に完結編となった本日より公開の『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』。長年続いたこの人気シリーズで、タイトル・ロールを演じたダニエル・ラドクリフ&同級生ハーマイオニー役のエマ・ワトソン、ロン役のルパート・グリントは『ハリポタ』を卒業することに。最後となった本作は、最終章にふさわしい、ド派手でスリリング、エンタメの真髄をこれでもかと魅せてくれる傑作となっております。
2001年『ハリー・ポッターと賢者の石』で始まったこのシリーズ。実はプロデューサーのデイビッド・ヘイマンは、空前のベストセラーとなった原作の出版前にこの物語に目をつけ、最終章までプロデュースをしてきたのです。
「1作目を手掛けたとき、これほどの人気シリーズになると思わなかった」
と語るヘイマン。そうでしょう、主演のダニエルだって子役としてデビューしていたとはいえ、まったく無名。そもそも原作者のJ.K.ローリングも、この第一作目を執筆しているときは困窮しており、生活保護を受けながら、英国エジンバラのカフェで書きあげたというのは有名な話です。
そのローリングは映画化するにあたり、ひとつだけ条件を出しました。それは「ハリーの成長のプロセスにはこだわりがあったの。スタッフがそこを理解してくれるかどうかが決め手だったわ」とのことで、そのこだわりはシリーズを通して色濃く反映されています。ハリーは作品を追うごとに年を重ねるだけでなく、魔法学校で技を磨いていた無垢な少年が、自身の出生の秘密や凶悪な敵・ヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)と対決するようになり、少年から男へと心身ともにたくましく成長していくのです。
主演のラドクリフも「毎回同じ役とはいえ、ハリーはこの10年間で大きく成長、変化していた」と手ごたえを感じ、ロン役のルパートも「最初は弱虫だったロンが、最終章では勇ましくなったよ。でも、もうロンを演じられないのは寂しよ。自分自身よりロンでいるときの方が長いこともあったからね(笑)」と語っています。
ちなみにシリーズ8作品を通して、ひとりのキャラクターを追い続けたシリーズは前例がないそう。それもすべてが大ヒットしたのだから、おそるべし『ハリー・ポッター』!
人気シリーズゆえ噂も多く、続編をローリングが執筆しているとか、新シリーズにダニエルが困惑しているとか、『ハリポタ』のプロモーションのためにダニエルが舞台を休演。その代償は50万ドル! とか。
そんなお話が映画界を飛び交っておりますが、それも人気の証。でもいちばんうれしい噂は最終章の出来栄えが高評価なことで、ダニエルも「完璧な形で終わらせることができた!」と喜んでいるそう。
最後にふさわしく3D/2D同時公開の本作。どっちで見ても映画の素晴らしさは損なわれません!(映画ライター=斎藤香)
『ハリーポッターと死の秘宝PART2』
2011年7月15日上映
監督:デイビッド・イェーツ
出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン 他
配給: ワーナー・ブラザース映画
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