一見すると絵画のような作品ですが、実はすべてが刺繍。いったいどれほどの時間をかけてここまで細やかな作品を製作しているのだろうと考えると、それだけで気が遠くなってしまいそうです。

主に木々や自然の風景をモチーフにした美しい刺繍アートを作っているのは、イギリスの刺繍アーティスト・Kayla coo。女性であるKayla cooは、アーティストでありながらも、妻であり、また13歳と15歳の子供を持つ母親でもあります。だからでしょうか。彼女の手から生まれる見事な刺繍アートからは、女性ならではの繊細さと温かな母性が感じられます。

「ステッチすることは、自分自身を表現する方法のひとつ」、と語るKayla coo。彼女の作品づくりは、スケッチを描くことからはじまります。色鉛筆や絵の具などを使って描きあげたスケッチは、すでに鮮やかな色に埋め尽くされています。

その絵をモチーフにして、色までそっくりそのまま布地へ刺繍を施していくのです。キャンバスとなる布地にはフェルトを多用しており、その上を糸やビーズがまるで絵の具のように躍動します。

単色ではなく複雑な色彩で埋め尽くされた彼女の作品は、まるでゴッホの絵のよう。表現力豊かで、可愛らしくも力強い作品の数々に、驚かずにはいられません。

全長がおよそ3メートルにもおよぶ巨大な作品も製作しますが、基本的には小さな作品が多く、展示用の作品のみならずポストカードやブローチなどのアクセサリーも製作しているKayla coo。彼女は12月3日から年末まで、イギリスの「Herbert Art Gallery」にて展覧会を実施するそうです。機会があれば、ぜひ一度足を運んで、直に作品を目にしてみてはいかがでしょうか。

(文=田端あんじ)

参考元:kaylacoo.blogspot.com( http://p.tl/UPJc

▼鮮やかな刺繍アート

▼モノクロのものも

▼ポストカードとブローチ