
北海道・札幌から南に100キロほどのところにある地方都市、苫小牧。このちいさな街に、なんと100年近くも続く洋食店があります。しかもその味は、開店当時のフランス料理を守り続けているものだということ。
つまり、今ではもう食べられない「100年前のフランス料理」っていうことだね! これ、かなりの貴重物件じゃない? なぜ札幌じゃなくてわざわざ苫小牧、というのもちょっと気になるし、取材に行ってみました!
JR苫小牧駅南口から大通りを5分ほど歩いたところに、そのレストランはありました。「第一洋食店」、この上なくストレートな名前が今となってはキュート! レトロな筆調レタリングの看板がやさしく光る建物は、昭和の一軒家風。
うーん、たたずまいも素敵だねえ。重厚なガラスのトビラを押し開けて、中へ。
背筋のものすごくシャキッとしたマダムが、席に案内してくれます。椅子やテーブルを含めた内装は、ダークブラウンの木主体、戦前の洋食店やビヤホールを思わせる純正レトロ。長く使い込まれたとおぼしき銀のカトラリー、そのすべてには「第一洋食店」のロゴが刻まれています。流れる音楽は、オペラ。つくづく純正西洋調だなあ。
このお店のいちばんのウリは、100年前と同じレシピで作られるという「ビーフシチュー」。サラダとパンorライス、スープにデザートがついたコースが2,700円とは、洋食としてはかなりリーズナブルだ。もちろんこれ! ……と思ったのだけれど、「タンシチュー」「ホホ肉シチュー」も同じように看板、そして同じ値段ときた!
どっちも希少部位ですぜ……ああ……そんなわけで10分以上悩んだあげく「タンシチュー」に決定。100年前デミソース、どんなものなのだろう! わくわくしながら待つことに。
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さて、このお店の開業は大正8年(1919年)、今年で93年目! 東京の超有名洋食店「たいめいけん」ですら昭和6年の開業なので、もう日本でも指折りの老舗洋食店ということになりますね。
このお店を開いた初代シェフ・山下十治郎氏は横浜グランドホテルで当時の正統フランス料理を習得、料理人として大正天皇の行幸にお供して北海道にやってきます。つまりは天皇陛下お抱えのスターシェフ! そのまま北海道に残って活躍していたところで、苫小牧の王子製紙にヘッドハンティングされます。
当時の王子製紙は単なるいち企業ではなく、富国強兵の旗印のもとに西洋紙を大量生産する国策会社(のちにコンツェルンに)。議員や貴族をもてなす迎賓所(倶楽部)を抱えており、その責任者として山下氏に白羽の矢が立ったのです。
こののちに十治郎氏は独立、苫小牧の中心地に開いたのがこの「第一洋食店」。以降、お店は大火に巻き込まれるなどの苦難を乗り越えながら、苫小牧社交界の中心地として2代目・3代目と受け継がれ現在に至っています。
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サラダに続いて、まずはスープ。純正洋食たる、コーンポタージュスープです。小麦粉とクリームでもったりしたよくあるタイプではなく、とてもあっさり&さらり。かなりお上品で、深みある味わいです。そういえば、コーンポタージュスープって、缶や粉末ではよく食べるけど、作り方もわからなければ発祥もよく知らない。こうして出てくるところを見ると、昔のフランス料理だったのかな。
そしてそして、お待ちかねのタンシチュー! 想像よりもかなりブ厚いタンに、ダークブラウンの艶やかなデミグラスソースがかかって美しい! 付け合せはフレンチフライ、にんじん、ブロッコリーにマッシュルームがまるごとひとつ。そのお味はというと……ひときれのタン、ソースとからまって柔らかく口のなかでほどけていく。う~~ん美味。そして、気がつく。さらっとしながらも香味複雑、端正で深いデミグラスソースのその奥に、キリリとした苦味がある。食べ進めると、その苦味は存在感を増していく。
後でわかったことだけれど、トラディショナルなデミグラスソースは苦味があるものなのだそうな。そうか、最近の甘いだけのデミソースはケチャップみたいなものかもね。ココアでこの苦味をつけることもあるみたいだけど、「第一洋食店」ではベースを作るときに小麦粉を軽く焦がすことで苦味を出しているとのこと。
100年前のタンシチューは、大人の味だった。最初はびっくりしたけれど、何度か食べていくうちに「これじゃなくちゃ」って思うんだろう、そういうお味です。コースはこのあと、これまたトラディショナルなババロア&洋梨のコンポート(赤ワイン煮?)とコーヒーで終幕を迎えました。
マダムに見送られて帰路に。ああ素敵な、文明開化と西洋事始気分のひととき!
この「第一洋食店」が創業以来大事に守りつづけているポリシー、それは初代・十治郎氏の教えどおりに料理を作る、ということ。彼が修行しフランス料理のノウハウを身につけたのは100年前のことですから、レシピも100年前のもの。ランチ限定の「コロッケ」に至っては、実は正統なフランス料理の「クロケット」……コロッケを日本人が編み出す前の、もとの姿なのだそうです。
老舗洋食店は数あれど、日本人が初めて西洋の食事にふれた時代の味が今も残ってるなんてお店はとってもレア! 苫小牧は新千歳空港から約30分ほどで行けるので、北海道旅行や出張のときに少しだけ足を伸ばしてみるのもオススメですよ。
(取材、写真、文=纐纈タルコ “ Koketsu TARCO ”)
『第一洋食店』
住所: 北海道苫小牧市錦町1-6-21
営業: 月~金 11:00~14:30 17:00~20:30
土・日・祝 12:00~14:30 17:00~20:30
URL: http://www11.plala.or.jp/dyoshoku/
▼どちらかというとドイツやスイスっぽい一軒家風の店構え
▼独特な書き文字の看板が目印。それにしても、いい店名です
▼レトロ・ハイカラ調の内装は、昭和40年代のものだそう
▼使い込まれた銀のカトラリーには、店名がしっかり
▼小麦粉やクリームに頼らない、ていねいな仕事のコーンポタージュ
▼タンシチュー。このデミグラスソースこそがこのお店の命
纐纈タルコ





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