2月某日――。とある企業のウェブサイトで会社移転のお知らせが掲載されました。

「巨人に踏みつぶされたので、アイレップは溜池山王へ移転します。」

え、巨人? 踏みつぶされた!?

ページには社員と思われる人物が巨人の足に踏みつぶされ泣き叫ぶ画像や、包帯を巻いた社員が会議をする画像が掲載されています。移転の告知ページ以外は至って普通の会社のウェブサイトのようですが、これって一体どういうこと?

そもそもの始まりは昨年4月のこと。

デジタルマーケティングを主な事業内容とする株式会社アイレップは、なんと「封印の地、タルタロス」にいる巨人の背中にオフィスを移転したというのです。凡人の想像を超える移転先に、誰もが同社のレベルの高さを認識せずにはいられないはず!

ちなみに巨人の背中に移転する理由は、なんでも次の通りだそうです。「日本で唯一巨人と提携」「巨人の咆哮による簡単プレスリリース」「巨人の握力でしぼったフルーツジュースが美味しい」「酸素の大切さに気づける」など……詳細は割愛させていただきます、はい。

ところが今年に入って、悲惨なことに取締役の渡辺隆広氏が巨人に踏みつぶされてしまったというのです。

幸い渡辺氏の命に別状は無かったものの、社員の間では「もうこんなところで働けない!」「よくよく考えたらメリットない!」という声が次々と上がったのだそう。これを受けて社内では緊急会議が行われ、巨人から逃げるために溜池山王へ移転することが決定したのだとか。

さて、これらは一体どういうことなのか……。ご説明を、伸ばしに伸ばしてごめんなさい!

当然ながら本当に巨人がいるわけではなく、実は「巨人の背中に移転した」というのは去年のエイプリルフール用に作ったジョークページ。でも今年2月に本当に移転することが決まったので、以前の話題を引き出して移転の告知を効果的に伝えたようです。

ちなみに溜池山王に移転する理由も大変ユニーク!

「駅直結のビルなので、巨人に見つからずに出社可能」「国会議事堂と大使館があるので巨人は警戒して襲って来ない」「『溜池山王』という名前の山の王がいるはずなので、巨人はビビって追ってこない」「溜池山王は1日に12万人が使う駅だから、社員に似てる顔の人も多いので巨人にバレない」「オフィスがワンフロアになることで社内の風通しがよくなり、巨人を倒す者が生まれる」などなど、社員を踏み潰す危険のある巨人を避ける方向で多くの効果が期待できそうとのこと。

なんとユーモラスなアイディア! 掲載された画像のクオリティも相当気合が入っていてステキすぎます。渡辺氏のドーナッツ論など、移転とはほぼ無関係なエピソードも思わず噴出すレベル。ここまで遊び心たっぷりの移転告知、見たことない!

大人になっても遊び心を忘れずに一生懸命突き進む企業の姿は、とても頼もしいですよねえ。

(文=みあざきぱなま)
参照元:www.irep.co.jp(http://goo.gl/fPSSg)

▼昨年4月の移転のお知らせ

▼我々は「溜池山王」に移転することにした!

▼溜池山王に移転するメリットその1

▼溜池山王に移転するメリットその2

▼溜池山王に移転するメリットその3

▼溜池山王に移転するメリットその4

▼溜池山王に移転するメリットその5

▼渡辺氏のドーナッツ論

▼素敵な笑顔です