[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。
今回ピックアップするのは7月14日公開の『ヘルタースケルター』。主演女優が何かとお騒がせな話題作です。では、こちらの映画のお騒がせ問題をまとめてみましょう。
【公開前から話題を集めた作品】
◎蜷川実花監督と沢尻エリカがタッグを組むということで『ヘルタースケルター』映画化が話題に。
「別に……」事件以来、芸能活動しているんだか何だかわからないのに、いつも渦中の人・沢尻エリカのド派手な復帰作として発表されました。
◎全身整形のヒロイン役は濡れ場もあれば裸もあると、また話題に。
ヒロインと自分が交錯したのか、取材陣の質問が気に入らないと食ってかかったり、共演者を怒らせるなどの噂もありました。
◎映画完成。マスコミ試写は大盛況!
沢尻エリカは「やるときゃやる!」大胆な演技、見事な脱ぎっぷりが業界で絶賛されました。
◎体調不良で本作の取材はすべてNGに。
行方をくらませたエリカ嬢。追い打ちをかけるように週刊誌が黒い噂を取り上げ「映画は公開されるのか?」と、これまた話題に。
映画の内容もスキャンダラスだけど、主演女優を取り巻く世界も映画に負けずにスキャンダラスというのが、凄いですね。
【蜷川実花の映像美と、沢尻エリカの熱演に注目】
ちなみに映画は、全身整形で美とスターの座を手に入れたヒロインのりりこが、ライバルの存在、整形後の苦しみなどで、どんどん精神的に追い詰められていく様を描いた壮絶な女性映画です。蜷川実花の鮮やかな映像描写と、りりこのエキセントリックな行動がたたみかけるようにスクリーンでさく裂しています。
そして業界の問題児とはいえ、沢尻エリカの熱演は「この映画に懸けていた」というのが、スクリーンから激しく伝わって来ますよ。脱ぎっぷりも壊れっぷりも見事で、これぞ女優です。スクリーンの中と外が同じくらい壮絶というのが、彼女の面白さであり、怖さでしょう。
沢尻エリカに何があったのか真実は彼女にしかわかりませんが、演じる者が役の影響でおかしくなっていく……という一件はハリウッドでもありました。『ダークナイト』でジョーカーを演じたヒース・レジャーです。
あの映画で彼が演じたジョーカーもエキセントリックで何をしでかすかわからないキャラクターでした。どこまで壊れていくのかわからないような役をヒースは鬼気迫る演技で魅了。アカデミー助演男優賞を受賞しましたが、彼は帰らぬ人に……。
役と本人が重なり逢い、役の精神が演者を蝕んで行く。記者はエリカ嬢とヒース・レジャーが重なってしまい、心配になりました。それぐらい『ヘルタースケルター』の沢尻エリカはすさまじかったのです。「公開日には復帰」との噂もありますが、映画がヒットして、エリカ嬢がご機嫌で「やったね!」と元気よく登場してほしいと願うばかり。まずは映画館で、『ヘルタースケルター』での沢尻エリカの壮絶演技を見てください!
(映画ライター=斎藤 香)
『ヘルタースケルター』
7月14日公開
監督: 蜷川実花
原作:岡崎京子
出演: 沢尻エリカ、 大森南朋、寺島しのぶ、 綾野剛、水原希子、新井浩文 鈴木杏、寺島進、哀川翔、窪塚洋介、原田美枝子、桃井かおり
(C)2012映画「ヘルタースケルター」製作委員会
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