今、最も売れている絵本『絵本 地獄』。子どもがいい子になる絵本として話題になりました。人気漫画家・東村アキコ先生が育児漫画『ママはテンパリスト』内でも紹介。ママや教員志望の学生などから熱く注目されています。

二次元の絵本もいいですが、リアルな世界で地獄が見られる場所があるのをご存知でしょうか。なんと大阪にあるお寺の中に地獄が存在するのです。

地獄寺こと全興寺(せんこうじ)があるのは大阪市平野区です。商店街に面する全興寺は遠くから見ると普通のお寺です。ですが、境内に一歩足を踏み入れると……

「ウソをつくと舌をぬくぞ」という看板が!!

ギャー! 鬼!!!!

お寺って、お釈迦様がいるところじゃないのー! もう入口から普通のお寺でないことが、よぉく伝わってきます。

そして境内へ進むと……出ましたっ。地獄堂!!



ここで地獄を垣間見ることができるのね。

と、入る前に注意書きを発見。

「この地獄堂は子供たちに “悪いことをしないこと” と “いのちを大切にすること” を教えるために開いたものです。(中略)むやみに子供に恐怖を与えて言うことを聞かせる材料にしないでください」

ひえええ、そんなに怖いの!?

ドキドキしながら中の祭壇のようなものが設置されています。そこにあるドラを叩くと地獄が発生しました。

閻魔大王と10人の裁判官が出現。鬼と何か不気味な老婆もいるーッ! そしてその足もとには裸の人間がひざまずいています。


ウソをつくとここで地獄がどんなところかを見せてくれるというのです。本当のことが映るという鏡に地獄が映し出されます。

生前、生き物を殺すと地獄では自分の体を刻まれる、人を騙すとかまゆでに、悪口は針の山で串刺しになる、人の話に耳を傾けない者は燃え盛る車に乗せられる……ひとつひとつの「刑」が、昔の地獄絵図にあわせて紹介されていきます。地獄からは「ごめんなさい」「あんなことしなきゃよかった」と許しを請う声や後悔の声に……ゾクッ。

そして最後……「他人を悲しませるようなことをしてはいけない。命はひとつきり。命を大切に……」そうして地獄ツアーは終了しました。

結構、ショッキングな映像を見た後でしたが、大人の私でもジンときてしまいました。「悪いこと、つまり他人を悲しませることをしてはいけない」、「命を大切にしなくてはいけない」。全興寺にあった地獄は、目の前の忙しさにかまけて、意識しなくなってしまう大切なことを思い出させてくれる場所でした。

ちなみに境内には「地獄度・極楽度チェック」ができる機械があります。

私もやってみたところ……「地獄行き(執行猶予あり)」

マジかっ! 普段の行いを振り返り、ちょっと反省です~。

なお、境内には「地獄堂」だけでなく、「ほとけのくに」という地下空間もあります。全興寺の拝観料は無料。お友達とまた、お子さんと一緒にバーチャル地獄ツアーをやってみてはいかがでしょうか?

(写真、文=おおさか もぐみ)

【地獄の場所】
・全興寺
大阪市平野区平野本町4-12-21
(JR・地下鉄平野駅より徒歩13分)

参考リンク:全興寺 (http://goo.gl/4j0H9
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▼ほとけのくに


▼「地獄度・極楽度チェック」は全興寺のホームページでも楽しめます。お寺のサイトなのに全然堅苦しくないのが不思議!

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