
[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。
今回ピックアップするのはミシェル・ヨー主演作『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』です。ミシェル・ヨーは『ポリス・ストーリー3』『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』『グリーン・デスティニー』などアクション女優のイメージが強かった人ですが、『SAYURI』などドラマ性の高い映画にも出演。そして本作ではビルマ(現ミャンマー)の非暴力民主化運動の指導者アウンサンスーチーを演じています。
今回見て改めて「ミシェル芝居上手いわ~」と思いました。それくらい軍事政権に立ち向かう強い女性の姿と家族を思うひとりの女性としての姿を演じきり、スクリーンにオーラを放っていました。
アウンサンスーチーがビルマの非暴力民主化のために立ちあがったために軟禁生活を余儀なくされ、それでも決して屈しなかった姿勢、影響力、自由と平和への希望が世界で支持され、ノーベル平和賞を受賞したことをご存じの方も多いでしょう。現在も彼女の自由を手に入れるための闘いは続いていますが、その彼女の激動の半生が『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』にはつまっているのです。
というと社会派ドラマと思われるかもしれないけど、ハイライトは英国人の夫と引き裂かれ、英国にいる彼が病に倒れても会いに行けず(国を出ると二度と戻れないから)まさにタイトル通り、愛を引き裂かれる展開でしょう。祖国を捨てれば家族に会える、夫を看病することもできるのですが「それではいままで夫と家族とともに闘ってきたことがすべて無駄になってしまう……」と彼女は考えます。まさに苦渋の選択!
このエピソードは公に伝えられていたこととはいえ、こうして映画になり見せられると、どんなに辛い選択だったかと胸が痛くなります。このレビューで紹介した『プリンセス・カイウラニ』のお姫様もそうでしたが、国を背負うと決心したものは、家族よりも愛よりも国を、国民の幸福を選ぶのです。というか、そうできる人でないと務まらないのでしょう。
この脚本を読んだミシェル・ヨーが「絶対に映画化する」と自らリュック・ベッソンに話しを持ちかけ実現した本作。ヒロインがまだ存在しているゆえの幸運もあれば難しさもあったでしょう。正直、現在進行中の民主化への闘いゆえに、下手に突っ込めない弱さはあったように思いますが、アウンサンスーチーと夫、家族とのエピソードがビルマの指導者ではなく、ひとりの女性としてのアウンサンスーチーを映し出していました。
ちなみにロケ地はタイ。ビルマ政府に自宅軟禁をさせられている女性の映画をビルマで撮影できるわけはなく、製作そのものも極秘で行われたそうです。撮影は2010年に行われていたのだけれど、その撮影中、アウンサンスーチーが自宅軟禁から解放されるというニュースがあり、ミシェルはじめスタッフみんなで見守るという裏話が!
ちょうど一度目の軟禁から解放されるシーンを撮ったばかりのときだったのでリュック・ベッソン監督は「自分が撮影したシーンを誰かに盗まれたような気がしたよ。一瞬何が起きているのかわからなかった」と語っていたとか。それくらいリアルなアウンサンスーチー物語ってわけですね。
日本にも1985~1986年まで京都大学東南アジア研究センターの研究客員としていたことがあるアウンサンスーチー女史。彼女の置かれている状況、彼女の人生を知るのに、この映画はわかりやすく最適の教科書でしょう。
(映画ライター=斎藤 香)
『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』
7月21日公開
監督:リュック・ベッソン
出演:ミシェル・ヨー、デヴィッド・シューリス、ジョナサン・ラゲット、ジョナサン・ウッドハウス、スーザン・ウールドリッジ、ベネディクト・ウォンほか
(C)2011 EuropaCorp – Left Bank Pictures – France 2 Cinema



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