「9月18日に北京で未曾有の反日暴動」があるとウワサされていた中国・北京。しかし、いざフタを開けてみれば「未曾有の暴動」なんてことは起こらず、日本大使館前で大規模なデモがあっただけでした。北京に滞在中の筆者が感じた限りでは、デモ以外はいたって普通。いつもどおりの中国がそこにはありました。

しいて言うならば、日系のお店が休業していたり、日系と分かる看板を隠していたくらいです。そんななか、一風変わったスタイルで営業しているお店を発見しました。場所は日本人も多く住んでいる朝陽区にある世茂百貨店の地下にあるスイーツ屋さんです。

看板をよく見ると「京○兎屋」と書いてあります。「○」の部分が紙で隠してある。それも、メニューに書いてあるであろう「○」の文字まで、それぞれ小さい紙で隠してある。「これは一体?」と思い女性スタッフさんに話を聞いてみると……。

「日本語だけを隠しているの。反日デモとか……あるみたいでしょ。だから目立たないようにしてるの。でも、昨日と今日だけよ」との返事が。“日本” に激しく反応してしまう人たちを刺激しないようにするための策だそうです。ちなみに隠れた日本語は、ひらがなの「の」であるとのこと。

彼女らの反応に興味があったので「実は私、日本人なのです」と告げてみると、「あら、そうだったの! でも国籍なんて関係ないよ! 日本人が嫌いだから日本語を隠してるわけじゃないからね!」と、笑顔でこたえてくれたのでした。

売っているのは洋菓子と、『雪見だいふく』のようなアイス入りのお餅など。美味しそうなので1つ買ってみました。「1つだけでもいい?」と言うと、「もちろん!」との返事。「溶けないように注意してね! アイスだからね!」と一生懸命説明してくれたりもし、最後は笑顔で「バイバーイ!」と手を振ってくれたのでした。

アイスは冷たくてとっても美味しかった。そして、彼女らのフレンドリーな対応に、私の心はホッコリ暖かくなったのでした。

(写真、文=中国特派員H)