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【映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します】

今回は、12月28日公開の人気シリーズ『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーンPart2』です。主演のカップル、クリステン・スチュワートとロバート・パティンソンをスターにし、世界中の女子たちをトリコにしたこのシリーズも、いよいよ最終章! 『Part1』で、ヒロインのベラが産んだ人間とヴァンパイアのハーフの子を巡る闘いが壮絶で、すさまじい迫力の完結編となりました。

ヴァンパイアのエドワード(ロバート・パティンソン)と結婚をしたベラ(クリステン・スチュワート)は、ヴァンパイアと人間のハーフの娘を授かります。ベラをずっと愛していたオオカミ族のジェイコブ(テイラー・ロートナー)は、その娘こそ、自分の刻印(運命)だと悟ります。ジェイコブのベラへの長い片思いは終わり、ヴァンパイアの一族に幸福が……と思ったら、ベラたちの娘はヴァンパイア一族を滅亡させる「不滅の子」であると、3000年生きるヴァンパイアの王族たちが、ベラの娘を抹殺しようと近づいてきて……。

ヴァンパイアと人間の禁断のラブストーリーを描いた『トワイライト』シリーズは、現代の「ロミオとジュリエット」のようなロマンにファンタジーとホラーの要素を散りばめて、圧倒的な人気を獲得してきました。熱狂的ファンはトワイライターと言い、母娘でファンの場合、母親はトワイライト・ママと言うそうで……。そんな風に世代を超えて、乙女心を惹きつけるこの物語の魅力は、エドワードとベラの出逢いから恋愛成就、結婚、出産まで、シリーズを通して、ファンがずっと二人の愛の軌跡を見守れることでしょう。ファンはもはや家族のような存在なのですね。

また、主演のクリステン・スチュワートとロバート・パティンソンがリアルカップルとしてフィクションと現実の垣根を越えたこともこのシリーズの人気に拍車をかけています。

本作『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーンPart2』でも、ベラとエドワードのラブラブっぷりは健在!ただベラは大きく変化しました。ヴァンパイアになったベラは、エドワードもビックリするほどの身体能力の高さを発揮。スピーディな鋭い動きで飛んで走ってと大活躍。彼女が血を求めて「狩り」に出るシーンなどは、ずっと見続けていたファンは感慨深いでしょう。

またヴァンパイアの王族VSカレン一族の闘いはクライマックスの大きな見せ場です。オオカミ族をも巻き込んだ壮絶なバトルには、世界中のヴァンパイアが大集合! 大迫力の合戦シーンを繰り広げます。主演のロバートは「最後の映画で、いきなり凄いアクション映画になったよ」と語っていますが、今までエドワート、ベラ、ジェイコブの三角関係など恋愛要素が強かったこのシリーズが、最後にザ・ヴァンパイア映画になったのです。結婚して子供を授かったベラが「娘を守る」という母親としての自覚に目覚め、母性愛をアクションで見せていくようになったことも大きいですね。

そのクラマックスの大バトルでは、世界のヴァンパイア約100人が一堂に会するため、ロケ地で“ヴァンパイア・キャンプ”をはったそうです。ヴァンパイアの一人ラミ・マリックは「ヴァンパイア・キャンプはソーセージ工場のようだったね。ヘアを作ったら次の行程、コンタクトレンズはめたら次の行程ってね」。ヴァンパイア製造機のベルトコンベアーに乗せられた気分だったのでしょうか。でもキャストは大いに楽しんで「サマーキャンプみたい」とウキウキだったようです。青白い顔の人たちが笑顔でウロウロしているキャンプ場なんて『トワイライト』らしいですね。

『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 2』がシリーズ最終章か~と、寂しい想いでいっぱいのファンもいるでしょう。しかし、なんと続編の話があるようです。ベラたちとバトルを繰り広げたヴァンパイアの王族が主人公とか、オオカミ族が主人公とか、TVドラマ化らしいなど噂は尽きず……。世界中で大ヒットしているシリーズですから、業界的にはこのまま終わらせたくないというのは本音かな(でもクリステン、ロバート、テイラーの出演はないという話も)。

トワイライターの皆さん、まだまだ追いかけることができるかもしれませんよ。でも、その前に『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 2』で、ベラとエドワードの勇姿をしっかり見届けてくださいね!

(映画ライター=斎藤 香
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『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 2』
2012年12月28日公開
監督:ビル・コンドン
出演:クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナー、ビリー・バーク、ピーター・ファシネリ、エリザベス・リーサー、ケラン・ラッツ、ニッキー・リード、ジャクソン・ラスボーン、アシュリー・グリーン、マイケル・シーン、ダコタ・ファニング、マッケンジー・フォイ、ジェイミー・キャンベル・バウアー、ラミ・マリックほか
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