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震災から丸2年。津波で壊滅的な被害を受けた南三陸に、今新しい風が吹き始めています。

その風の出所はサイト「南三陸deお買い物」! 南三陸が大嫌いで上京したのに、震災後に南三陸の良さに気付いて帰郷したイケメン店長さんが運営するwebショップです。

実は、このwebショップで販売されている商品はどれもこれも逸話があるんです。きっと商品紹介を見ているだけで胸が熱くなってしまうこと間違いなしですよ!

■取り扱われている商品には「奇跡」や「熱い想い」といったストーリーがある
このwebショップで取り扱っている商品は、情報を見ると「何その奇跡!?」とか「熱い! こんな熱い想いで作っているケーキならおいしいものに違いない!」と思えるような商品が盛りだくさんです。

例えば現在販売中の「南三陸味噌汁セット」

このセットのなかの味噌は、大正7年創業の「高長醸造元」という老舗でできたもの。この高長醸造さんも、あの津波で自宅・店舗・道具、何もかもすべて流されてしまったそう。高長醸造3代目の高橋長泰さんは、失意のなか、店舗の再開も考えられずに自治会活動を行いながら避難所生活を送っていました。

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しかし震災後の1カ月程過ぎた4月21日。銀行だった建物の屋上に、緑色の味噌造のタンクが残っているのが発見されたのです。12個あったタンクのうちの1つだけではありますが、破損せずにタンクが残っていたのはまさに奇跡! 

このタンクを使って味噌作りを再開した高長醸造さん。なんと2012年10月には本場仙台味噌醤油鑑評会で表彰されるほど、おいしい味噌を再び作っています。

高長さん

お味噌のパッケージには「流されても流されても負けない強さと優しさを味わってほしい」という熱い想いが書かれています。胸がジワリと熱くなります。

■海産物は放射能調査も確認済み!
南三陸はもともとおいしい海の幸がいっぱい。とくにわかめは、一級品。南三陸町の歌津泊浜は宮城県でも一級の漁場で、荒波に鍛えられた分厚いワカメが収穫できるそうなのです。

「健ちゃんワカメ」を出品している高橋健一さんは東日本大震災で自宅とほとんどすべての機材を失いました。地震直後に船を沖に出したので、船だけは守ることができましたが、津波の被害の大きさと原発問題で、海の仕事はもうできないと諦めかけたそう。

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しかし検査の結果、放射性物質は検出しなかったため、唯一残った財産である船で漁を再開。サラダでも味噌汁でもワカメが主役になるくらいの存在感がある、自慢のわかめを、出品しています。ワカメ漁は3月半ばが最盛期。おいしいワカメが買えますよ!

■「南三陸deお買い物」を、南三陸の入り口にしたい

「南三陸deお買い物」店長の伊藤孝浩さんは、こう話します。

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「震災前は、『南三陸には何もない』と思っていました。でも震災が起こって初めて、“南三陸には海を見ながら暮らせる街があり、自然の恵みあふれる生活があったのだ” と気付きました。それを取り戻したいんです。

しかし一方で、震災前に南三陸に漂っていた閉塞感は払拭したかった。お買い物を通じて、多くの人に南三陸のことを知ってもらい、いずれは南三陸に旅行で来てくれる人が増えたらいいなと思っています」。

南三陸

みなさんもサイト「南三陸deお買い物」をのぞいてみて、熱い想いを持って仕事をしている人たちの商品を見てみませんか?

取材協力:「南三陸deお買い物」店長 伊藤孝浩さん
参考:南三陸deお買い物

(取材、文=FelixSayaka