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引っ越しシーズンもひと段落して、そろそろ新生活に慣れるころ。

でも、もしかすると、これから引っ越しを考えている人もいるかも……ということで、記者がとある賃貸会社にだまされかけた話をひとつ。

【引越しまでの時間に余裕がない!】

昨年のちょうど今ごろ、記者は引っ越しを決意しました。さっそく、当時住んでいたマンションに退去予告をして、物件探しをスタート。

ところが、まったく、住みたい物件が見つからない! 住んでいた場所から、引っ越したい場所までは少し距離があり、物件探しにも労力が必要でした。退去の日は近づき、だんだんと募る不安……。

物件探しをする際、最初に訪れた賃貸会社の営業スタッフは、ほとんどやる気のない様子。二番目に訪れた賃貸会社の営業スタッフの、あまりにも押しの強い営業に閉口。この時点で、退去日まで1カ月を切っていました。

【軽快な営業トークで信頼しきっていた】

仕方なく、三番目の賃貸会社のドアを開きます。仮にS社とします。S社の営業スタッフは「任せてください! ぴったりのお部屋探しをサポートしますよ!」などという営業トークも軽快で、何より焦っていたこともあり、S社を信頼してお任せすることにしました。

【物件資料を見ずに内見】

「とりあえず、内見してみないことには」というので、いくつかよさそうな物件をみつくろってもらうことに。事前に物件資料を見せてもらえるのかと思いきや、「当日、お持ちします」とのこと。物件資料を見ずに内見するというのは初めてのパターンだったので、あれ? といった感じ。

一番おすすめの物件の敷金・礼金だけでも聞いておこうと質問すると、「家賃5万2000円、敷金1カ月、礼金なしです」といいます。事前に初期費用は30万円までを予定していると伝えていたし、確かに家賃5万2000円で敷金1カ月、礼金なしなら余裕で収まります。諸費用込みで、20万円までで収まりそう! 新居に置くソファ、買えるかも♪

内見の当日、「今日で決めてしまいたいんですよね~」と記者。「今日で決まるんじゃないですかね~」とS社の営業スタッフ。2つ物件を内見させてもらい、いよいよ一番おすすめの物件へ。仮にNマンションとします。

【あ、あれ…話が違うやん!】

うわ~、Nマンションいいじゃん! ここに決めます! 初期費用がどれぐらいかかるかを尋ねると、「30万円です」。あれ? でも昨日、敷金1カ月、礼金なしって……。「すみません、敷金・礼金っていくらでしたっけ?」と尋ねると、「敷金1カ月、礼金15万円です」

ええええええ? 値上がりですか? 昨日の今日で値上がりですか?

あ、そういえば物件資料を見せてもらっていない。「物件資料って見せてもらえますか?」と記者。「はい」と手渡された物件資料を見ると、なんと礼金15万円の文字が……。おかしいでしょ? 昨日、一番おすすめの物件は敷金1カ月、礼金なしって!

【不信感で契約どころではなくなった】

迫る退去日と、強引に契約を迫る営業スタッフに恐れおののきつつ、「すみませんがちょっと考えさせてください」と記者。かなり不信感を持ってしまったため、契約どころではなくなってしまいました。

帰宅してから、他県の賃貸会社で働く友人に電話をして、助言を求めました。すると、次のような話を聞かせてくれました。

■物件資料の書き換えは簡単

友人に調べてもらったところ、実際のNマンションの礼金は「なし」でした。ですので、最初に聞いた情報が正しく、内見時に見せてもらった物件資料はS社によって書き換えられたものだったのです。

友人によると、上乗せした礼金はすべて契約をとった賃貸会社に入るそう。つまり、記者のケースだと「礼金15万円」はすべてS社のもうけになるのです。物件資料の書き換えはよくあることなんだって!

■密室で契約を迫るのがお約束

内見しているとき、執拗に契約を迫られたと友人に相談すると、それが賃貸会社の営業スタッフのお約束なのだそう。お客と密室で二人きりという状況は、営業スタッフにとって好都合で、契約をとれやすいのだといいます。「契約するまで帰らせないよ」という雰囲気を出すと、お客の方も「まあ、ここでいいか……」という気持ちになって契約することが多いんだって!

■アレ? っと思ったらほかの賃貸会社に相談

不信感を持ったら、ためらわずにほかの賃貸会社に相談するのが吉。例えば「S社がこんな風に言っているんですが、なんとなくあやしいと思うんです。Nマンションの敷金・礼金はこの物件資料のとおりなんでしょうか? 調べてくれたら、こちらで契約します」のように、ほかの賃貸会社に相談するといいそう。どこも契約をとりたいし、しかも契約する物件が決まっているお客なので、敷金・礼金ぐらいよろこんで調べてくれるみたいです。

もちろん、親身になって部屋探しをしてくれる賃貸会社もたくさんあります。ただ、記者が遭遇したようなパターンもなきにしもあらず。引っ越しを考えている人は注意あそばせ!

(文=ふろりだまなこ)
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