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夏の風物詩、と聞いて頭に思い浮かぶものは人それぞれ異なるでしょうが、記者にとってそれは、なんといってもフジロック! というわけで、今年も3日間、正確にいえば前夜祭も入れて4日間、聖地・苗場に行ってまいりましたよぉーっ。

今年の注目アクトは、なんといってもアイスランドが生んだ天才歌姫、ビョーク。10年ぶりのフジロック参戦に、全国から多くのファンが集まったみたい。

そのほかにもナインインチネイルズにザ・キュア、スクリレックスなど、目玉アーティストが目白押し!……と、このあたりのレポは他の音楽雑誌さんにおまかせするとして、今回は会場内の様子を中心に、マニアックな視点でフジロックをレポートしてみたいと思います。

1、晴れと雨が交互にやってくるツンデレ天気

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「フジロックといえば雨、雨といえばフジロック」と言われるくらいには、雨に降られやすいことで有名なフジロック。今年は前夜祭直前・1日目夕方・2日目昼間・3日目昼間、といった具合に雨に縁のあるお天気でした。しかもこの雨、スコールのような雨で、3日目なんて、ザーッと雨が降ったと思ったら今度はピカーッと晴れ間が。と思ったら次の瞬間ザーッ……見事なまでのツンデレぶりでしたが、そこはフジロッカーのみなさん慣れたもの、すぐに重装備に切り替えるなど、華麗に対応されておりました。

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2、昨年とは比べ物にならないほど空いている会場内/ただしビョーク開演時のみ激混みに

チケットがソールドアウトするほど盛況だった昨年に比べ、今年は小さなお子さんも安心して楽しめるほど余裕のあった会場内。近隣飲食店の方のお話によると、昨年の半分、とまではいかないもののお客の入りは2/3弱ほどなのではないか、とのことでした。しかしやっぱり、ビョークのライブのときだけはイレギュラー! どこまでも連なる人・人・人の波は、彼女の人気健在ぶりを改めて実感させられる、それはそれはカオスな光景でした。

3 、フジロック裏名物

(1)オープンすぎる男子トイレ
ほぼ毎年フジロックに参戦しているガチ・フジロッカーの記者ゆえ、今の今までこれが名物だと意識したことはありませんでしたが、今年初参戦の友人のひとことで気がつきました。この光景、たしかに他では滅多に、いや絶対に見られないな、と。

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実はフジロックのトイレは2種類のタイプが存在しており、ひとつは普通の鍵付き個室トイレ、もうひとつはカーテンのみがついた男子専用トイレ。この男子トイレ、カーテン締める殿方は、みたところ半々くらい。つまり開け放っている方の個室は、かんっぜんに丸見え状態なの(前はもちろん見えないよ~)! 友人曰く「なにこれ、家畜小屋みたいじゃん!」……まあ、言いたいことはわかります、ハイ。

(2)名物客
今年で17年目を数えるフジロックですから、こういった方々は当然存在します。今回はその中から、「毎年見かける常連さん」「新規さん」合計3組ご紹介いたしましょう。

・常連さん【赤フン男】
名前そのまま、赤いふんどし一丁で会場に現れる30代くらいの痩せ型男性。幸か不幸か(?)記者は一度も見かけたことがないのですが、彼、とにかく激しく踊ることで有名らしい。今年の目撃情報としては、「ゲート前の砂利道を赤フン一丁で全力疾走していた」「亀甲縛り状態で歩いていた」などなど、もうとにかく、本当にギリギリな方のようです。

・新規さん【ゴスロリ少女】
フジロックの会場は山、そうなるとゴスロリという格好は否が応にも目立ちます。フェス会場にビキニギャルはいても、ゴスロリはまあいません。しかし今年、原宿からそのままワープしてきたのかと見紛うほどのゴスロリ少女が出現。いったいどのアーティストのファンなのか、非常に気になるところです。

・新規さん【ゆかた男性2人組】
女の子のゆかたは前夜祭でたま~にみかけるけれど、男性のゆかた、しかもふたり連れというのはなかなかレア。1日目はゆかた1枚だったように見受けられた彼らも、雨にやられたのか、3日目ともなると完全装備に大変身。ゆかたの下に雨用のズボンを着用されておりました。足元ももちろん、下駄や草履ではなく、スニーカーでしたよ。

(3)コアすぎるアクトが揃う新ステージ『BUSKER STOP』

とにかくユニークかつコアなアクトが揃っていると友人たちの間で噂になっていた、フジロック会場の最奥に今年新たに作られたステージがこちら。記者が観たのは、舞台女優なども務める多才アーティスト、エミ・エレオノーラさんのステージだったのですが、これが異常な面白さ! 「知り合いのドSな男が今まで女性にした最もドSなこと、それが女を山に捨ててきた、というエピソードでした。聞いてください、『山』」で、美声で『山』という曲を歌うわけですよ。腹筋崩壊レベルの抱腹絶倒ステージだったのは、言うまでもありません。

そのほか今年、記者が個人的に特に目についたのは、日本人客と外国人客の対比。雨が降るとさっと重装備に切り替え粛々と楽しむ日本人客と、ビキニと薄~いTシャツのみでずぶぬれになりながらはしゃぎまくる外国人客。高低差のありすぎるその光景がとてもフジロックらしくて、ああ今年もフジに来たんだなぁ、などとしみじみ思ってしまいました。

今年来られなかったみなさんも、次回こそはぜひ、フジロックへ足を運んでみてはいかがでしょうか。いつでも、会場でお待ちしておりますよ。それではまた、来年会おうね、フジロック!

(取材・文=田端あんじ)

▼こちらがビョークご本人!! 衣装かっけぇぇ

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