心から好きだった相手とのお別れ。それはひどくつらいものです。その痛みを耐えるために人は浴びるようにお酒を飲み、ひとりカラオケで何時間も歌い続けるなどします。そんなありがちなタイプの記者と違い、中には予想外の行動をとる方もいらっしゃるようで。
アメリカ・ネバダ州の丘に、ある日とつぜん巨大な文字が登場します。街からはっきり見えるその文字に人々は騒然……そして判明した真相は、ちょっと意外でちょっとカッコ悪いものでした。
アメリカ・ネバダ州には、荒涼とした丘に巨大な1文字をどかんと描く「ヒルサイド・レター」という文化があります。州全体で40を超える「1文字」があるのですが、なかでも有名なものが、ネバダ大学リノ校のシンボルである「N」の文字。グーグルマップで測ってみると1辺が50メートルほどあるようで、かなりのビッグサイズです。
この文字のとなりにある日突然、ちょっとウスいけれど「A」の文字が登場したのです。2文字あわせて、「NA」。これはいったい何を表すサインなのだろう……? けれど、すぐに真相が判明しました。
この「A」を書いたのは、この街に住む、ブラント・ウィルバーさん。、最近カノジョと別れたばかりの彼の狙いは、なんと……
元カノ「TINA」ちゃんの名前を書くこと!
まずは街で売っている白の顔料をすべて買い占めたウィルバーさん。それをレンタルしたトラックに積み込んで丘にのぼり、この「A」を書いたのだそうです。実に5時間、書きっぱなし。
丘にキミの名前を書いたよ、頑張ったよ。そんなふうにアピールしたかったのでしょう。それで愛が戻るかどうかはともかく、やり遂げたならけっこうスゴい! 1文字50メートル、アメリカンサイズの愛だね! だけど根性が足りなかったウィルバーさん、「A」だけ書いて力尽きちゃいます。うーん、残念! アメリカンサイズなカッコ悪さだね!!
かくして、丘には意味をなさない「NA」の文字が刻まれたのみ、という結果とあいなりました。しかもティナちゃんと付き合ったのは4年も前の話で、わずか9ヶ月だけだったとのこと。いろいろとダメなニオイがするよ、この子。
幸いにも、ネバダ州の法律ではこの行動は罪に問われることはないそうな。また100年以上前から「N」の文字をシンボルとしてきたネバダ大学リノ校は、「風と雨でそのうち自然になくなるでしょう」と静観の構え。このひどく余計で中途半端な愛の行動は、人々に苦笑いだけを残して風の彼方へと消えていくのでした。
参照元:Vercund
(文=纐纈タルコ)
▼ブラント・ウィルバーさん。「後悔はしていない」とのこと。
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