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水木しげる氏といえば、日本を代表する漫画家であり妖怪研究家。現在91歳ながら、すこぶる元気で食欲旺盛。昨年12月からはマンガ誌「ビッグコミック」で新連載を始めるなど今なお精力的に活動しています。

その長寿の裏にはいったいどんな食生活があるのか!? やはり徹底して食に注意を払っているのでしょうか!?

今回は水木先生の日々の食生活について詳しく書かれたちゃんと食えば、幸せになる―水木三兄弟の日々是元気という著書から、水木語録とともに長寿の秘訣を探っていきたいと思います。

■ガリガリ君は“空色のアイス”

最近おいしいのはキャンデェです。ガリガリくん、水色の。夏は一日何本か食べます。頭がシャキッとして具合がイイ。

水木先生のお気に入りはガリガリ君のソーダ味らしい。添加物が含まれたガリガリ君は体に悪いと子どもに禁止するオウチもあるそうで。でも、青色の着色料入りアイスだって水木先生にかかれば“空色のアイス”だなんてなんともハイカラなネーミングに。

■大福は大好物

いいですか、私に食べ物を勧めてはいけません。ダイエットしとるからね。でもゆるい栓しかしてないから、ダイフクなんか勧められれば三コ、四コと食ってしまうんです。

えっ、(そんだけ食べて)ダイエットしてたの……!? という衝撃。そして、スイーツ好きな女子高生のようなお茶目な発言。毎日、兄弟・家族で集まっていただく三時のおやつは水木先生の至福のひとときのようです。

■ハンバーガーはぼた餅みたいな肉

(ハンバーガーの中のハンバーグのことを)ぼた餅の感じですよ。(「一個全部食べちゃいますか?」と聞かれて)そりゃ食べますよ。

老人は脂っこいものは食べない? いえいえ、水木先生はハンバーガーもピザも大好き。近所のマクドナルドのハンバーガーを所望したり、新聞の広告に入っているピザのチラシを見て注文させたりするのだそう。それにしても、なぜにハンバーガーのハンバーグをぼた餅と感じる……? たとえがユニークすぎ!

本を読んでいてわかるのは、水木先生、基本なんでも食べます。何が体にいい、悪いなど気にせず、おいしいものをおいしく食べる、ただそれだけ。飽食の時代の恩恵を思う存分、楽しんでいます。最近では、マクドナルドのテキサスバーガーやすた丼のテイクアウトを頬張る写真がTwitterにアップされたことも。

食に気を遣い摂生をよしとする私たちは、それだけ好きなものを食べてなぜそこまで健康なのか不思議になりますが、その答えを本の中で見つけた気がします。それは、水木先生の次のひとこと。

結局、死ぬ人は死ぬし、死なない人は死なない。親からもらった遺伝子ですよ。

……どこまで本気なのでしょうか、この方は? こういう周りをけむにまくような発言も実に水木先生らしい! けれど、目には見えない妖怪の存在を長年描き続けてきた水木先生だからこその説得力があり、ある種の死生観のような言葉にすら聞こえます(ただのジョークかもしれないけど)。そう、人間、死ぬときは死ぬんです。

ビーガンカフェにマクロビアンと世の中、空前のロハスブーム。とにかく食にこだわりを持つ人の多いこと多いこと。それ自体はいいことだけど、行き過ぎた息苦しさを少しでも感じている人がいるなら、きっとこの本は読んでみる価値アリ。水木先生自身が妖怪だという説もあるので、誰もが同じようにして長生きできるとは思えませんが、それでも、好きなものを楽しんで食べるって幸せに生きる上でとても大切なのだと気づかされる一冊です。

参考:ちゃんと食えば、幸せになる―水木三兄弟の日々是元気
撮影・執筆=鷺ノ宮やよい (c) Pouch
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▼水木しげる先生の兄・弟も健在! 兄・宗平さんは全身をアクアスキュータムでそろえるオシャレさん!!

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▼弟・幸夫さんは今でも自らフォルクスワーゲンを運転してゴルフへ行くそう! 三兄弟そろって元気すぎ!

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