【女ひとりの酒場放浪記】第三回：様変わりした公園口店よりは……吉祥寺「いせや本店」に行ってきた

酒場という聖地へ
酒を求め、
肴（と人や事件との出会い）を求めさまよう・・・

ということで、吉田類の酒場放浪記リスペクト企画……じゃなくて、女性の皆さんに女ひとりで居酒屋に行き、新たな世界と出会って欲しいと思い企画した【女ひとり飲み酒場放浪記】の第三弾。今回は吉祥寺の「いせや本店」さんに行ってきました。

筆者は先日、「いせや公園口店」の記事を書いたのですが
改装前とのあまりの変わり様に腰を抜かしてしまいました。

「いせやは昭和の空気が漂う、小汚くて雑多で、ひとりで飲んでいても誰も気に留めない、もし涙を流したとしても雑音の中に消えていくような、退廃的で抒情的でなおかつ活気のある雰囲気が良かったのに……こんなのいせやじゃないよ！　……あ！　そうだ！　いせやには公園口店だけではなく本店もあったんだ！本店も公園口店と同様に改装工事をしていたけれど、改装後に前を通りかかった際、特に変わった様子はないのでは？　と思った憶えがある！　行ってみよう！」

と、いうことで大雪が降ってクソ寒いなか向かった「いせや本店」。

■まずは外観

たぶんあんまり変わってない……と思う。黒が基調なのと、屋根の瓦（かわら）が新しくなったせいで、ちょっと高級感が出ている感じもしなくはないけれど。

■そして店内へ

さーて！　地獄のような寒さの外とはオサラバして、店内へ！　煤（すす）けてたり床にところどころジャリがあったりメニュー表がベタベタしてたりテーブルが汚かったり最悪だけどだがそこがイイと思えてしまう不思議な空間の、あの店内へ！　暖かいしね！

格子状にデザインされた壁がモダンな和風テイストで違和感あり過ぎる。公園口店よりはマシだけど、ちょっとオシャレで小ぎれいになってる。正直に言おう。落ち着かねぇ。空間が私を拒否している。

でも暖かいだけイイ。今日は温かければそれでいい。「お好きな席へ」と言われたのでテーブル席に座る筆者。寒すぎて生ビールの気分にはなれなかったので焼酎のお湯割りを注文。

以前も焼酎のお湯割りを頼んだ気がするのですが、レモンなんて浮いてたっけ……？　でも、温かいしそれなりに濃いし、美味い。五臓六腑にしみ渡る!!

続いて、ひな（80円）とレバー（80円）を注文。

うんまあああぁぁっぁぁぁっぁいいいいいいいいぃぃぃ!!!!　ひなは小ぶりだけど皮と身の割合が絶妙で酒が進む！　レバーは焼きすぎず生すぎずイイ感じでトロトロしてて、正直あと5本は食べられる！　店内は少し変わってしまったけど味は以前のまま!!!　……って、おや？

気づくと店内が真っ白に……。

あーこれアレですか？　寒い外から暖かい室内に入るとメガネのレンズが曇る現象がカメラのレンズでも起こっちゃった的な？

違います。いせや名物、焼き場から充満してくる煙です!!　これですよ!!　この煙で店内が白くにごるこれ!!　換気する気ゼロの「こっちは焼くのに忙しいんだ。煙ぐらいでガタガタ抜かすな。なに？　髪の毛や服に臭いがついちゃうよぉ～＞＜　だと？　悪いけど、よそに行ってくんねぇか？　ここはお前さんが来るような店じゃねぇんだ。シャレたバーにでも行って甘いカクテルでも飲んでな。だけど悪い男につかまるなよ。親御さんが泣くからな。見送りだけはしてやるよ。……おっと危ねぇ、忘れるところだった。最後に言っとくが…2度と来るんじゃねぇ!!!!」とでも言いたそうなこの煙!!!!!

筆者、半分くらい溜飲が下がりました。
ここで、店員さんに質問。

筆者「女性ひとりのお客さんて増えましたか？」
店員「いや？　別に……」
へー。どうでもいいけど、いせや本店の店員さんはイケメンぞろいです。だったら女性客が増えてもよさそうなのに不思議だなぁ、と思いました。まぁなんかブアイソ……（以下略）

ということで！　「少しでも昔のいせやの雰囲気を味わいたい」もしくは「イケメンに会いたい」という女性の皆さん！　ぜひ行ってみてください！　混むと相席になるので意外な出会いもあるかも知れませんよー！

■ショップデータ
店名：いせや総本店
営業時間：12:00～22:00
電話：0422-47-1008
定休日：火曜日定休
住所：東京都武蔵野市御殿山1-2-1
☆おすすめポイント：料理が安くて美味しくて適度に昔の「いせや」の雰囲気が味わえる！

取材・撮影・執筆= シマヅ (c) Pouch

Pouch［ポーチ］