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被災地の現状を知ってもらいたい。そんな思いの元に活動する、ふたりの若者がいます。福島県飯舘村出身の菅野大輝君と、同県伊達市出身の高松海人君は、まだ10代。

彼らは2011 年6月に設立された、被災した東北の子供たち自ら被災地復興の様子や生活の変化を写真と文章で記録し、世界に発信し続けるプロジェクト『キッズ フォトジャーナル(KPJ)』のメンバーであり、同時に福島県に暮らす被災者でもあります。

本日みなさまにご覧いただくのは、メディア・カンパニーVICE Japanが取材した子供たちが発信する被災地の3年。3月8日から30日まで静岡市駿河区のグランシップで行われた写真展、「ぼくたちの3年~写真展『生きる』から見えるもの~」のオープニングに駆け付けた彼らの姿を、VICEが追いかけました。

伊達市の高松君の生家は現在、「特定避難勧奨地点(とくていひなんかんしょうちてん)」に指定されています。政府が住民の避難を支援する特定の場所を指す言葉であり、「ホットスポット」と呼ばれる、比較的放射線が高い地域にのみ適応されました。

彼自身が撮影した家の写真には、ついこの間まで生活していたという空気が確かにあるのに、戻ることは難しい。その残酷な、しかしどうしようもない現実に、ただただ打ちのめされずにはいられません。

「振り返るのは大事ですが、ずっと引きずっていてはいけないと思う。起きてしまったことはもう、取り戻すことはできないので」そう語るのは、飯館村出身の菅野君。前を向いて、今はこの現状を世界に伝えていこうと思う。ひと言ひと言丁寧に発せられる彼の言葉は、とても重みのあるものに感じられました。

被災した東北の子供たちにしか見ることのできない、リアルな景色がそこにある。「KPJ」そして菅野君と高松君の今後の活動に、福島県出身の記者(私)はこれからも注目し続けていきたいと、強く強く、思います。

参考元:YouTube=VICE Japan
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼子供たちにとっての3年って、想像以上に大きいよ