gapaooo

1年の半分以上をタイで過ごすという友人に言わせると、日本で食べるタイ料理は「ぬるい(辛くない)」のだそう。たしかに、タイ料理にせよインド料理にせよ日本人の舌に合わせた結果、本場のそれから離れてしまうことはよくあります。件(くだん)の友人はこう続けます。「あっちの人はね、おやつ感覚で唐辛子をほおばれるよ」

そんなタイ通の友人も太鼓判を押す店が「浅草地下街」にあるということで調査に行ってきました。50年以上前に建てられ、戦後東京の面影を残す貴重な遺産、浅草地下街。

むき出しの天井、雑に積まれたビールケースがはみ出す通路。程よい雑多って長く愛される飲み屋街の共通項じゃないかと思います。浅草地下街には現在約20の飲食店が立ち並び、その一角にタイ料理屋「MONTEE(モンティー)」はあります

今年で創業7年目という「MONTEE」はタイ料理好きには結構有名で、入店できないこともあるほどの人気ぶり。昭和感溢れる他店の中でひときわ目立つ同店は、外観・内装ともにおもちゃ箱をひっくり返したようなポップさに包まれ、初めての来店でも心地よい異国感を味わうことができます。

●メニューは店員さんにお任せしました
記者はそんなにタイ料理に明るくないので、店員のタイ人女性に判断を委ねました。

記者「このお店でトップクラスに辛い物を2つお願いします」
店員「ワカッタヨ。デモ、メチャメチャカライヨ。ホントウニカラインダヨ! ダイジョウブ?」

運ばれてきたのは、ナンプラーに漬けられたエビを大量の赤唐辛子・青唐辛子・にんにくと一緒に食べる「クン・チェー・ナンプラー」(720円)と、豚・鶏・牛の挽肉にこちらも大量の赤唐辛子と青唐辛子を刻んで炒めた「パッ・ガパォ」(690円)の2つ。前菜的なものとメイン的なものです。

●ぷりぷりのエビがツボ!「クン・チェー・ナンプラー」
シンプルなエビの料理。生でも食べられる新鮮なエビをサッと湯にくぐらせたのちナンプラーに漬け……イタリアンでいうカルパッチョのようなものだと思います。

とはいえ、赤・青の唐辛子とにんにくがこんもりと乗せられているところはやっぱりタイ料理。ミントの葉と生にんにくスライスを乗せて一口で食べるのですが、これがもう辛いのなんのって! ぷりぷりのエビを噛めば噛むほど唐辛子の軍勢に攻められ……記者、陥落。

●逃げ場のない辛さ「パッ・ガッパォ」
見た目は濃いめのそぼろ、それに赤・青の唐辛子がこれでもかというほど刻まれています。お肉は鶏・豚・牛と3種類使っているので、一度しみ出た複雑な脂を肉にからみつき、これはたまらない! 

辛さですが、食べ初めに「なんだピリ辛じゃん。この勝負、余裕」と思う人は多いでしょう。ご多分にもれず記者も油断してしまったのですが、そうは問屋が卸さない! 3口目くらいから急激に鼻水が垂れ出し、胃が熱くなるのを感じました。胃が! 胃がぁぁぁぁ! 危うく星になりかけました。

●会計時、店員さんの言葉に泣いた
ヒハヒハしながら孤独な戦いを終えた記者に「ダイジョウブダッタ? ヤッパリカラカッタデショ? マタキテネ」と労いの言葉をかけてくれる店員さん。ありがとう。

内装から味付けまでタイ感満載の同店ですが、メニュー表は親切な作りで、正式な名称の下にどのような料理かという説明文と、辛さ指数としての唐辛子マーク(最大3つ)が記載されているので、みなさん自分の好みに合わせて美味しく食べられると思います。

【MONTEE】
住所:東京都台東区浅草1-1-12
電話番号:03-3841-8668
営業時間:12:00〜15:00(14:00L.O) 18:00〜23:00(22:00L.O)
定休日:火

取材協力:MONTEE
取材・撮影・執筆=井上こん(c)Pouch

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▼パッ・ガパォ(690円)

gapaooo

▼この画を見るともはや唐辛子メインの料理に思えますねぇ
gapaooup

▼クン・チェー・ナンプラー(720円)

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▼鼻水地獄の後は、体が危険を察知したのか激しい悪寒に襲われる

hanamizu
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chikagai