一見、宝石箱のような美しい小箱。蓋を開けると……
ピピピーピーヨロピーヨロピーーーッ!
色鮮やかな羽を羽ばたかせながら、機械仕掛けの小鳥が透明感のある鳴き声を聴かせてくれます。
今回ご紹介するのは、小鳥の見た目もさえずりも、本物と見まがうような精巧な造りの「シンギングバード・ボックス」。実はオルゴールの一種なんですって!
日本人にはあまり馴染みのないシンギングバード・ボックスですが、一般的なオルゴールより少々歴史が古く、18世紀にスイス人時計技師の手によって発明されたのが始まり。“かわいい鳥の鳴き声をいつでもどこでも聴けるように”との願いから生まれ、ヨーロッパの王侯貴族らの間で大流行したそうです。
時計から鳥が出てくるものや、ケージに入ったものなど、形状もさまざま。かつては、シンギングバードのコンクールなるものも開催されていたそうです。鳴き声や羽の美しさなどを競っていたんでしょうか。「だったら本物の小鳥でいいのでは!?」と思ってしまいますが、そこは一般庶民の理解を越えた、ラグジュアリーな世界。ボックスには見るからに手間のかかっていそうな調金装飾がほどこされているし、「こんな豪華なの持ってるもんね~おほほ」と自慢する意味合いもあったのかしら?
現在は、シンギングバードを作る工房も少なくなったということですが、画像の作品は19世紀に職人のCharles Abraham Bruguierが手掛けたもの。シンギングバードが羽をパタパタ、お顔をキョトキョトしながらさえずる様子は、いかにも本物の鳥のよう。一通り鳴き終わったらバタン! とボックスの中に入るさまもいじらしい……。目を閉じて聞いてみたら、森の中にいるようで癒されるかも~!
参照元:You Tube
参考:likecool.com
執筆:沢野ゆうこ(C)Pouch
コメントをどうぞ