ニュースでも度々とりあげられ、今や社会問題と化している「LINE乗っ取り詐欺事件」。警視庁サイバー犯罪対策課が今月22日に発表した情報によると、6月以降に寄せられた被害相談は計100件、約650万円にものぼるそうです。
その被害相談100件のうちの1件が、何を隠そうこの私(筆者)です。前回の記事でご紹介した通りですが、なんと私はまさかの「LINE乗っ取り詐欺」にまんまとひっかかり、言われるがままに総額5万円分のiTunesカードを購入して、シリアルコードを教えてしまったのです。
■周囲から励ましの言葉「私って恵まれてるんだな」
金銭面はもちろんのこと、精神的なダメージも大きかった今回の事件。傷心しきった私を救ってくれたのは、周囲からの温かい言葉でした。
「えw なんでだまされんのw」
「本当に騙される人とかいるんだw」
「や〜ん、かわいそうw」
「今お金もってますかw っぷww」
「さすが、もってるねww」
「今なら宝くじ買ったらあたるかもよ〜w」
「レジェンドww」
「こっちは130万円ダマされたから5万なんて軽い軽い!」
持つべきものは友。優しい友人たちからの激励のおかげで、奇跡的にも前向きな気持ちになれたのでした。あまりの辛さで今回の事件のことは忘れてしまおうと決め込んでいましたが、友人たちの温かい言葉は私の心に熱い火を灯し、冷静にさせてくれたのです。
……傷心したからって田舎になんて帰ってる場合ではない! なんとかして5万円を取り戻すんだ!!
■警察はたよりにならない
詐欺だと気づいたあと、私はすぐに近くの警察署へ向かいました。2時間ほど相談した結果「LINE も iTunesも海外企業だから日本の警察は動けない」や「被害団体を作って弁護士たてて」という、なんとも救いのない言葉が返ってくるばかり。っていうか、LINEは日本運営じゃないのか!?
■いちかばちかアップルに問い合わせてみた
クレジットカード会社なら不正使用が判明すれば全額を保証してもらえることもある。では、iTunesのプリペイドカードを発行しているアップルはどうなのか?
どこに問い合わせていいかわからなかったので、非常識とは思いつつも「製品問い合わせ」にかけてみることに。「LINE詐欺にあいまして iTunesカードを購入してしまい……」と伝えたところ、電話先の担当者は絶句。他人の絶句なんて、初めて目の当たりにしました。
■できることなら5万円を取り戻したい
しばし沈黙のあと、「後日、『iTunesサポート:覚えの無い請求』の担当者から折り返す」と担当者。そして大人しく待機すること3日間……待ちに待った連絡がキター! そこで記者は、あらためて自身に起こった不幸の一部始終を伝えました。
できることなら5万円を取り戻せないものか、もう手遅れかもしれないけれど、私が購入したiTunesのプリペイドカードを使っての不正使用を防げられないものか、といった甘い期待を抱きつつ……。
■詐欺の場合、アップルでは保証などは存在するのか?
残念なことに、クレジットカード会社のような保証はないそうです。また iTunesカードは現金と同じ価値を有しているため、商品券など「代りの品」を渡すことはできないといいます。世界のアップル様でも、ダメなものはダメ……。こんなに認識が甘い私は騙されて当然なのだろうと、お金のことはあきらめモードに。
このまま引き下がるしかないのか?
■カードを使用した者のアカウント情報を特定できないか?
事情を聞いたアップルの担当者は、警察署に被害届を出すことを勧めてくれました。でも被害届はすでに提出済だったので、「今回の事件の解決の難しさ」や「アップルは海外企業だから、アカウント特定を日本警察では対応できない」など、警察署で言われたことを説明すると……!
「日本で起きた事件は、日本で解決できますよ!」
との回答が! 絶望的だと思われた犯人のアカウント調査も、警察からの要望があれば協力するらしい。そうすればアカウントを特定して、停止することも可能だというのです。さすが世界のアップル! アップル神! と一瞬思いましたが、アカウントが特定されたからといって私の5万円が戻ってくるというわけではない。
今の状況では、どう考えても捜査に協力しているだけ。でも、もしかしたら……という淡い期待を込めて、担当者にお願いされていた「被害にあったシリアルナンバーとレシートの写真」を指定された連絡先に送信。後日アップル担当者から警察の方に、今回の相談をしてくれるそうな。
■私、もう事件とは関係ないような感じになってるのかな?
仮にアップルが警察に相談したら、どんな展開になっていくのでしょう。私の5万円が戻る可能性はアルのかナイのか。アップル担当者とは、その後の約束はなにも交わしていません。私、単に情報を提供しただけで、もう事件とは関係ないような感じになってるのかな? なんだか無性に虚しさが込み上げてきました。
私のように被害にあわれた方々はもちろん、さらなる被害者を出さないようにするためにも、進展があり次第ご報告していく予定です。
執筆・撮影=百村モモ (c) Pouch
コメントをどうぞ