勧善懲悪なストーリーが多く、親子で安心して観られるディズニー映画。
「悪者は “悪” でしかなく、ヒーローやヒロインを引き立てるために存在しているだけ」と固く信じて幼少時代を過ごしてきた筆者(私)ですが、はたして本当にそうなのでしょうか? ディズニー映画に登場する悪物たちは、取りつく島もないほどの本当の悪? もしかして、ひどい誤解を受けているのかも? もしかして、プリンセスの方だって調子に乗っているところもあるんじゃないの?
海外サイト「HELLO GIGGLES」では、ディズニー映画の悪者のなかから代表5人をピックアップした「ディズニー映画の悪者から学ぶ5つの人生訓」をご紹介しています。本日は私の考えをプラスしつつ、日本のみなさんにお伝えしたいと思います。
1. 常に誠実に接してくれる友人がいる 〜白雪姫の魔女
「鏡よ鏡、世界で一番美しいのはだあれ?」
この非常に答えにくい質問に、いつも誠実に正しい回答を返してくれる鏡さん。白雪姫に毒リンゴを食べさせるあの悪い魔女には、こんなに誠実な友人がいるのです。
ーーー教訓「真実を告げてくれる友人を持て」
私たちの世界で置き換えるなら、最近アップしたFacebookのプロフィール写真に「ちょっとイタイから別の写真の方がいいんじゃない?」と直球コメントをくれるような友人でしょうか。他のみんなが無難に「いいね」を押してくれるときに、「やめたほうがいいよ」と本当のことを教えてくれる大切な友人。こんな素敵な友情を築ける魔女は、本当は結構いいヤツなのかもしれません。
私たちも、優しいだけの友人よりも、ときには厳しい真実を告げてくれる友人を持てるようになりたいものです。
2. いけてないけど頑張る 〜シンデレラの義理姉たち
痩せてガリガリで不器量で、そして傲慢な義理のお姐さんたち。一方のシンデレラは全てを兼ね備えたパーフェクトな女の子。そんな3人が同じ家で姉妹として暮らしているのです。人生って本当に不公平……。そりゃ、ちょっとは意地悪したくなっちゃうかも!? いやいや、意地悪はいけません。ハイ。
この不器量な義理のお姐さんたちの素晴らしいところは、自分たちが不器量であることを決して嘆かないこと。シンデレラに意地悪をするあたりをみると、シンデレラを羨む気持ちはあったと思われますが、それでも自分自身に自信を持って、ガラスの靴を履こうとしてみたり、宮廷にダンスに出かけたりと、かなり頑張っています。
ーーー教訓「前向きに強く生き抜け」
世の中には、シンデレラのようにすべてを兼ね備えたラッキーガールよりも、色々と欠点を持つ義理姉タイプの方が多いはず。ちょっとくらい欠点があっても、いや、欠点だらけだったとしても、きちんと前を向いて強く生きていく姿、とてもカッコいいと思いませんか?
3. 決して夢をあきらめない 〜フック船長
ワニに食べられた片手の恨みを晴らすためにピーターパンに挑み続けるフック船長。ピーターパンに何度やられても、決して諦めずに戦いを挑み続けます。
相手が自分より強くても負けを恐れずに戦いを挑む心、無理だと思っても夢を叶えるために努力を続ける強い心、そんな鋼のように強くしなやかな心を持っているフック船長は、もし現代の日本に生きていたとしても、結構イイ線いけていたのではないでしょうか?
ーーー教訓「負けてもいい、挑戦せよ」
模擬試験の結果が悪かったから志望校を変えようとか、美人じゃないからアナウンサー試験を受けるのを止めようとか、給料が少ないからプロポーズできないとか、そんな弱い心を持っている人がいたら、フック船長のことを思い出して下さい。
もしかしたら負けてしまうかもしれない。やっぱり相手にされないかもしれない。それでもいいのです。挑戦するのです。多分その挑戦が、自分をワンラックアップさせてくれるのです。
4. 自分の体を愛する 〜海の魔女アースラ
リトルマーメイドでアリエルと取引をする海の魔女アースラ。上半身はぽっちゃり系の人間で下半身はタコ、という体を持つアースラですが、自分の体をとても気に入っています。プリンセスや他の悪役たちのようにスリムではありませんが、とてもセクシーでゴージャスです。それはきっと、彼女が自分のボディを愛しているから。
ーーー教訓「美しくなりたいなら、自分を大切にせよ」
プリンセスのような完璧ボディではなくても、自分を大切にする気持ちがあればみんな美しくなれる。サイズにこだわる必要なんてないのです。きっとそうです! 多分そうです!
5. バックアッププランを持つ 〜オーロラ姫に呪いをかけるマレフィセント
美貌と知力と力を兼ね備えたマレフィセント。そんなマレフィセントでも、王国を倒すためには入念に策を練ります。ひとつの策だけではなく、いくつものバックアッププランもあらかじめ用意して戦いに挑みます。
ーーー教訓「日頃からいくつも策を考えておけ」
生きていると、予定通りに事が運ばないことがたくさんありますよね。お祭りへ向かう途中で突然の雷雨に見舞われて呆然と立ち尽くす。結婚するつもりでいた彼氏に自分以外の婚約者がいることが発覚。締め切り間近で焦ってリビングで仕事をしているときに耳元で娘が笛の練習。世の中「あ〜、もうマジでやめてちょうだい」と思うことだらけ。
それでも、お祭り会場近くの素敵なカフェを知っていれば、本命以外にもうひとり彼氏がいれば、リビング以外にも仕事をできる書斎があれば、ダメージを最小限に押さえて次へ進むことができるのです。
常にバックアップ手段を考えておく。これがドタバタ人生を回避するための秘訣ではないでしょうか。
いかがでしたか? マレフィセントを除けば、今まであまり日の目を見ることが無かった悪者たちですが、こうしてみるとかなり味のある彼女たち。完璧なプリンセスたちをみて感動するのは子供たちに任せて、大人の私たちは「悪者に注目して観る」というのも新しいディズニー映画の楽しみ方かもしれません。
参照元=HELLO GIGGLES
執筆=中野麦子(c)Pouch
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