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先日紹介した、恐ろしいほどにリアルなゴミ捨て場のジオラマ。あまりのリアルさに世界を震撼させ、多くの人のあごをコロッコロ外しまくった「情景師」荒木智さんのこの作品を、東京・巣鴨で見られると聞いて見に行ってきましたよ!

そしたら、すっごかった! あまりのリアルさに「わー! わー!」って叫びっぱなし。だって、米粒サイズのコカコーラ缶に開け口やプルタブがついていたり、小指の爪の上に乗るサイズの猫ちゃんにヒゲがついていたりしたんですもの! 雨に当たるところと当たらないところの錆びかたが違っていたり、放置自動車のボロボロになった運転席にエロ本がめくれて置いてあったりしてんですもの! もう、卒倒級のリアルさですわよ。

【ゴッサムシティがすごすぎて胸熱!】

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有名になった「ゴミ捨て場」のジオラマは、バットマンシリーズの映画『ダークナイト』に出てくるゴッサムシティを再現したもの。この作品、スミからスミまで手がこんどる! 

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たとえばホームレスのおじさんの後のシャッターには張り紙がしてあるのだけれど、そこにもきちっと1/35のポスターが貼られていたり、シャッターは錆びてガタが来ているからか最後までしまりきっていなかったりするリアルさ! 

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そして、米粒くらいのサイズの空き缶。コカコーラだと判別できるのは当たり前、ちゃんと開け口やプルタブまでついているんです。

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作品の正面から見えない露地だって、見事に再現されています。夜になったらひとりで歩くのが怖いような物騒な雰囲気を醸しちゃってるし、その露地に打ち捨てられている段ボールは水に濡れて正しくぼよぼよになっちゃってるし! 写真で写したら本物だと思っちゃうくらい。

【ゴッサムシティ以外の作品もまるで小人の国に迷い込んだような精巧さ】

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作品展には、ゴッサムシティ以外にも焼き芋屋さんや造船工場、昭和の終わりの風情漂う草むらの放置自動車、美しい小川のあるジオラマなどさまざまなものが展示されていました。そのなかで記者が特に心惹かれたのは、ボロボロになった船とテトラポットと猫の作品

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1/35のサイズで表現されたこちらの作品の猫をよーく見ると…… なんと細いヒゲがちゃんと生えてるんです。猫にヒゲ、確かに絶対必要だけれど小指の爪に乗るサイズの猫ちゃんにヒゲをつけようっていう人はなかなかいないんじゃないかしら……
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朽ち果てた船も、木が木目に沿ってボロボロはがれ始めているところや、釘が打ってあったところから錆びていく様子まで再現されています。驚くことにこの船は全部紙製! 木目っぽい雰囲気は、紙をカッターで傷付けたり、絵の具を塗ったりして実現しているんですって。

【ジオラマの楽しみ方を作家の「情景師」荒木智さんに聞いてきた】

もう、こんな精巧だとそこに1つのミニチュア世界を作っちゃったかのようです。こんな神業をやってのけるのに、作家の「情景師」荒木智さんは、取材を一切せずGoogleの画像検索と想像力だけでここまでのものを作っているんですって! 驚き!
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そんな荒木さんに、ジオラマを見る時にはどうやって楽しんだらいいかを聞いてみました。

「おすすめは、作品の中に自分が登場するとしたときの目の高さまで目線を下げて見てみることです。そうするとその世界に入り込んだように見えてきます。また、まるで自分が空撮のカメラマンや犯人を追いつめる警察のヘリの操縦者になった気持ちで眺めてみるのも、ジオラマならではの楽しみ方です。子どもの頃におままごとをやっていた人などは、ジオラマをすんなりと楽しめるのではないでしょうか」

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確かに目線をジオラマの内部の人物になった気持ちで下げていったり、空撮カメラマンになったつもりで見てみたりすると、荒木さんの作品にはあらゆるところに驚きが隠されていて、何時間でも見ていられそう。

そんな荒木さんの神業ジオラマはブログでもっとたくさん見られますよ! ぜひのぞきにいってみてください。

指にのった猫の画像:「情景師」荒木智さん
取材・撮影・執筆=山川ほたる (c) Pouch

▼草むら、ドラム缶のさび、ビールかごの放置された様子など、どこをとっても本物みたい▼

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▼ほのぼのとした雰囲気を醸しちゃってる〜▼

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▼造船所の表と裏。想像通りの寂しげな風情がたまらない▼

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▼小川には鯉までちゃんと再現!▼

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▼ゴッサムシティのジオラマを、空中カメラマン気分で動画でとってみた▼