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春って小腹が空きませんか? 夕方の時間や、飲み会の後など、なんとなく「何かちょっと食べたいなあ」なんて思っちゃったりして。そんなときに、食べたい、ちょっとしっかりお腹にたまるものといえば、スープ! そう、ポタージュみたいなもの! で、思い出したのが『3びきのくま』。あの『3びきのくま』のスープが食べたい!

『3びきのくま』の絵本では、森でくまの家を見つけた女の子が、くまのいぬ間に家に入り込み、テーブルに置いてあったスープを見つけて食べちゃうんですが、そのスープがとってもおいしそうなんです。

そんな『3びきのくま』のスープのレシピを、探して再現してみましたよ。私(筆者)は長年、『3びきのくま』はコーンポタージュスープだと思っていたのですが、どうやら違うみたいです。

【もともとは「おかゆ」だった】

『3びきのくま』のお話は、今では日本でもたくさんのバージョンが出版されていますが、最初に出版されたのはどうやら1962年。今からもう53年も前です。ということは3世代で『3びきのくま』を楽しんでいるご家庭もあるのかも。

でもこのお話、もともとはイギリスの昔話で、似たようなお話は世界にある様子。そして、よくよく調べていくとイギリスの昔話ではスープではなくおかゆだった模様。また、スープやおかゆを食べる時間帯も、お話によってまちまちです。昔話だもの、そういうことってあるよね。でも、それじゃ再現できない! 

【ロシアの文豪トルストイの絵本では、スープと描かれていた】

ではいつからおかゆがスープになったのか。それを確認するのは大変なのですが、少なくともロシアの文豪トルストイが「3びきのくま」を絵本にしたときには、スープとして描いていたとのこと。

ロシア通の知人にトルストイの原文を調べてもらったところ、この「スープ」という記述はパフリョープカпохлебка(野菜スープ)と書かれているんですって。

【ロシアにあった「くまさんスープ」】

「もっとヒントがほしい!」と考えていると、そのロシア通の知人が、ロシアに「くまさんスープ」なるものがあると教えてくれました。「くまさんスープ」は、ジャガイモのポタージュ。この「くまさんスープ」のロシア名は、メドヴェージヤ・パフリョープカмедвежья похлебкаと、トルストイの『3びきのくま』の原文にある「パフリョープカ」がついたスープです! トルストイが想像していたスープって、これかも!

このスープ、ロシアでは子供の朝食や夕食、おやつに適していて、おいしく体に良いといわれているんだとか。また、お腹を壊したときや、二日酔いのときにもおすすめ。なんて良いスープなんでしょう!

【「くまさんスープ」の作り方】

ということで、「くまさんスープ」の作り方をご紹介。材料4つと水だけで作る、シンプルなスープです。

<材料(1人分)>
・ ジャガイモ 2個
・ バター 50g
・ にんにく(すりおろす) 1かけ
・ 食塩 お好み
・ 水 300g

<作り方>
1. ジャガイモをよく洗い適当な大きさに切る
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2.鍋に水を張り、ジャガイモが柔らかくなるまで煮る。
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3.1のジャガイモが柔らかくなったら、バターとにんにく、食塩を加える
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4.3をミキサーにかけたら、できあがり。
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さらっとした食感にしたいときは水を多め、お腹が空いて、しっかりしたスープがいいときは水を少なめにしてください。じゃがいもの皮をむかないで作り、粒が残る程度にミキサーをかけたり、上にオレガノなどのハーブを散らしたりすると、絵本のスープのような見た目になりますよ。

マッシュポテトがスープになった感じなので、満足感もあり、お腹いっぱいになって眠くなってきちゃう。こぐまのベッドで寝ちゃった女の子の気持ちがわかっちゃいますよ。

材料4つで簡単な『3びきのくま』の絵本のスープ。ぜひ絵本を読み返しながら、試してみてくださいねー。

料理・撮影・執筆=山川ほたる (c)Pouch