「サウナは、おじさんがよく利用するもの」という印象があったのですが、ここ最近のサウナ事情は大きく変化。
男女問わず若者からも大人気に。健康にも美容にもいいと言われ、岩盤浴女子がサウナ女子に目覚めるなんてことも珍しくないのです。そんな彼らのことをサーファーのごとく「サウナー」と呼ぶそうです。
そのサウナーたちが行きたい!と憧れるイベントがあります。その名も「日本サウナ祭り」。2017年3月5日長野県南佐久郡小海町の「フィンランドビレッジ」で開催されました。
このサウナ祭りでは、湖と林に囲まれた大自然の中で、北欧のさまざまな本格サウナを楽しむことができるイベント。今まではサウナ関係者しか参加できなかったのですが、ついに一般の人も参加できることになり、あっという間にチケットは完売に。
私はひとりで参加したのですが、その素晴らしさたるや…まさに極楽。サウナのプロが関わっているので、サウナを楽しむ環境に関して抜け目なし! そして安心安全な環境が整っているのです。
今回はその全貌をお伝えしたいと思います。
【8つのサウナ施設と凍った湖の水風呂にはいれる!】
このイベントのでは、日本初のサウナカー(サウナトースター)や、フィンランドから輸入したサウナ付きログハウスなど8つのサウナ施設でサウナを楽しむことができます。
そして、サウナに欠かせないのが水風呂。普通の水風呂もあるのですが、ここでは氷の張った湖に入ることができるのです! (私も入ったのですが、それは後ほど)
【雪山で水着姿になる】
サウナに入るためには水着に着替えなければなりません。
当日は快晴だったものの、場所は森と湖に囲まれた山の中。雪がまだまだ残るこの場所で、肌を露出して大丈夫なのかしらとハラハラしていたのですが……会場に着くとみんな水着姿で歩き回っているではないか!!
意を決して水着に着替え外に出てみると、あれ意外と寒くない! あちこちにサウナ施設があるせいなのか、意外と寒さは感じませんでした。
【いざ、サウナ入浴!!】
参加者のほとんどが男性。女性は2割ほどいたように思えます。男性ばかりの狭いサウナ室に女ひとりで入るのは少し緊張するな……と思っていたのですが、全然そんなことはありませんでした。
裸の付き合い(水着だけど)という言葉があるように、身につけているものを全て脱ぎ、狭い空間にいることで緊張感なく不思議と会話がはずむのです。
お互いの体を白樺の束でできた「ヴィヒタ」でマッサージしあったり、サウナトークに花が咲いたり、昔からの友達だっけ?と錯覚するほど。もちろん静かにじーっくりと熱さに身を置く時間もあります!
また、会場にいる多くのひとが可愛らしい帽子をかぶっていました。これはサウナハットといって、サウナの熱から頭や髪の毛をまもってくれるのだそうです。色もカラフルで、船長さんみたいな帽子やとんがり帽子の形など種類も豊富でした。
【氷の張った湖へ】
サウナのおかげで身体がアッツアツになった私は、氷の張った湖に行くことに! 通常の銭湯の水風呂は17℃〜19℃くらいらしいのですが、この湖の水温はわずか0℃〜2℃。正直、怖い。体感として、どのくらい冷たいのか見当がつかなくて怖い。
すると、ビビった私を見かねて参加者の女性が「手をつないで一緒に入ってあげるよ」と声をかけてくれたのです。
その勢いで湖の中へドバァアアアッーと胸まで入ってみると……
あ、意外といける!!
と、感じた瞬間、冷たいではなく、刺さるといった感覚に襲われて早々に退散。足元には水草や石ころが転がっており、なかなか湖から上がれずかなり焦る私……。
普通の水風呂だったら入った瞬間に自分の体温で多少水温が上がるのですが、湖は上がる気配なし。逃げ場のない冷たさに襲われ、映画タイタニックで沈むディカプリオの顔を思い出しました。
しかし……湖から上がった瞬間ポワポワとした心地よさが身体をつつみこむ。このスッキリとした気持ち良さと心の開放感、サウナ界でいう「ととのった」というヘブン状態に。
【人気サウナはこの2つ】
今回のサウナ祭りで最も人気だったのが2種類ありました。かなり並んでいて私は入れなかったので、もし来年参加するならば、朝早くに行っていちばんに体験することをオススメします!
1. リトアニア人によるウィスキング体験
会場で最も大きいテントサウナで行われた『ウィスキング』体験。『ウィスキング』とは、サウナの本場の入浴法です。リトアニアから来日した、ウィスキングマイスターのヴィクトリア・ブセルテさんが、白樺の束でできた「ヴィヒタ」で全身を叩くようにマッサージしてくれるのです。レモングラスのアロマ水に漬け込まれたヴィヒタの香りに包まれて気持ちよさそうです。
2. 日本初の移動式薪サウナ「サウナトースター」
見た目はキャンピングカーみたいですが、中は立派なサウナ室。この中ではドアを閉めた瞬間、スタッフの方が「ウィスキング」などをバンバンやってくれるのです。珍しさもあって人気大。
【食事も本格的でウンマー!】
また、軽食として北欧の料理も提供されたのですが、それが全て美味しい!! 魚の酢漬け、肉だんごの入ったクリームスープなど……用意してくれたのは西麻布のレイニーデイカフェの方。前日から仕込んでいたそうで、食べた人からは「美味しすぎる」の声であふれていました。
ちなみにサウナ入浴、料理、お酒、ドリンク、そして記念タオルも含まれて会費は3700円。ズバリお得です。
【タナカカツキ氏「今回のイベントは大成功」】
漫画家であるタナカカツキ氏は、日本サウナ・スパ協会のサウナ大使。サウナの魅力を描いた漫画『サ道』など、数多くのサウナ本を出版し、いまのサウナブームに影響を与えたひとりでもあります。
今回参加した人の多くが「タナカカツキさんの本に影響されて」と言っていただけあって、イベント中に開催されたタナカさんの講演会には、ほとんどの人が参加。
日本人のサウナ好きの歴史、参加者からのサウナ愛で泣いた話など、大いに会場は盛り上がり、「今回のイベントは大成功だと思う」というと会場から歓声と共に大きな拍手が響き渡っていました。
【もし来年参加するなら!!】
私は来年も参加したいと思っていますが、より今回のサウナ祭りを楽しむために3つのことをしようと思います。よかったら参考にしてみてくださいね。
1. チケット情報は細かくチェックすべし!
即売り切れる可能性があるので開催1ヶ月前の2月頭から公式サイトやフェイスブックを見ておきましょう。
2. イベントの次の日も休暇をとるべし!
場所が山奥にあるので移動が大変です。サウナでととのった余韻も楽しみたいなら次の日もどこかに泊まるのがおすすめ。
3. サウナハットを買うべし!
熱から髪の毛や頭を守ってくれるうえに、ノッポさんの帽子みたいな見た目もキュートです。
レポートは以上です。今回取材にご協力していただいた皆様ありがとうございました!
動画もあるのでぜひチェックしてくださいね★
参考リンク:フィンランドサウナクラブ公式サイト
撮影・執筆=百村モモ (c)Pouch
▼3分でわかる日本サウナ祭りの様子です
▼会場に行くとトートバックが渡れました。中には水や銭湯のルールなど
▼サウナハット買えばよかった…
▼タナカカツキさんと!
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