お坊さん、土木建築、野宿……多種多様すぎる業界専門誌。その世界の奥深さにはこれまでも衝撃を受けてきましたが、今回またまた気になる業界専門誌を見つけてしまいました。
雑誌の名前は『けもの道』。三才ブックス発行の「狩猟の道を切り開く、狩猟者による、狩猟者のための完全なる狩猟専門誌」だそうです……“狩猟”押し強すぎて常人の入り込む余地なさすぎーーーッ!!
アマゾンの注文ボタンをクリックする指にためらいも出ますが、大丈夫。私は『龍が如く5』の冴島パートで過酷なマタギ生活に耐え、巨大熊とも戦った女。猟師とはまったく縁がないわけじゃない(たぶん)!
ということで、さっそく手元に届いた『けもの道 2017 秋号 Hunter’s autumN』をレビューしていきましょう!
【今回の特集はコチラ】
2013年に創刊し2016年3月に休刊、その後パワーアップして2016年9月に復活したという狩猟専門誌『けもの道』。今号は復活後第3弾として、秋の猟期にそなえた情報が満載のようです。
目次から、これはと思う特集を抜き出してみると……。
・肉好き漁師必見! 肉々しい特集
・当世猪犬見聞録 紀州系猪犬に半生をかけた猟人
・キズだらけの中古銃をセラコートでカッコ良くしよう!!
・”イチゴジャム”で捕獲装置を作ったワナ猟師
・わな猟するならコレでしょ! 最新くくりわなカタログ
・マンガ「職業? 猟師です。」
濃い……。どの特集も普段読んでいる雑誌ではぜったいにお目にかからないであろうタイトルばかり。「最新くくりわなカタログ」って女性ファッション誌の「最新モテコーデカタログ」的なノリでジワジワ来ます。
【今号の目玉は「肉々しい特集」】
猟期直前号ということで今回の目玉記事となっているのはやはり「肉々しい特集」でしょう。なんでも、「シカ肉を熟成させたら美味いよね」と自分で獲った鹿肉を自宅で「熟成」させる狩猟者が近年、急激に増加しているのだとか。
手に入れた肉をできるだけ美味しく食べたいという欲求は、狩猟者にとっての本能のひとつ。しかし、食中毒や感染症にでもかかったら一大事なわけで……。そこで、特集では生肉の扱いに関する正しい知識や徹底した衛生管理の方法、おいしいジビエレシピなどが多くの写真とともに丁寧に解説されています。
【恒例の広告チェック!】
私が以前『月刊住職』をレビューした際に気づいたのが「業界専門誌は広告すらも面白い」ということ。その業界に特化した広告が入っており見逃せないのです。
『けもの道』もさすが。超低温で獲物を新鮮長期保存できるという冷蔵庫・冷凍庫、狩猟のために開発されたというハンティングベスト、足くくり罠や箱罠・狩猟用ナイフといった捕獲用品などの広告が載っています。
「ほうほう、こういう道具で獣を仕留めるのか」「こすれても音がしないハンティングベストってめっちゃ猟師思いやな」など日常生活ではまず役立つことのない知識が入ってひたすら面白いです。
【業界専門誌の魅力とは】
そう、業界専門誌の魅力って「自分の日常では役に立たないことを知れる」ってところかもしれません。営業マンの営業トークにも生かせないし、合コンで話したところで確実にモテとは無縁。けれど、普段生きてて最新のくくりわな情報を知れる機会なんてそうそうないと思いませんか?
というわけで、興味を持った方にはぜひ手にとってみていただきたい狩猟専門誌『けもの道』。狩猟者のための雑誌ですが、狩猟者じゃない私たちがのぞいてみるからこそ興味深いところもきっとあるはずです! 購入はアマゾンや「けもの道本舗」の通販ページからどうぞ。
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