ナイアガラの滝というと、どんな風景を思い浮かべますか? 行ったことはなくても、馬のひづめのような形をした、巨大な滝の姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

ものすごい音をとどろかせながら流れ落ちる圧倒的な水量と、滝壺から何十メートルも立ちのぼる水煙。実際に間近で見ると、壮大な自然の美しさと力強さをひしひしと感じます。

でも、そのナイアガラの滝を背にしてちょっと丘のほうへと足を運ぶと……フランケンシュタインやキングコングを見ることができるって、ご存知ですか?

【滝を望む丘「クリフトン・ヒル」】

アメリカ・カナダの両国にまたがるナイアガラの滝。どちらの国にも、滝壺に近づいて水しぶきを浴びる遊覧船や、滝のそばのハイキングコースなど、雄大な滝を間近で感じるためのさまざまなアトラクションがあります。

でも、こういった自然を楽しむアトラクションは、すべて日中限定。昼間はめいっぱい滝の素晴らしさを満喫するとしても、夜は何しようかなあ?

もし、あなたがカナダ側からナイアガラの滝を見るならば、ぜひ訪れてみてほしい場所があります。それが、クリフトン・ヒル。ナイアガラの滝を望む丘に広がるエリアです。

クリフトン・ヒルの何がすごいかというと……ナイアガラの滝など1ミリも関係ないような、お化け屋敷だの迷路だのがエリア全体にギッシリと立ち並んでいることなんです。悪趣味というかなんというか……日本で例えるならば、行き過ぎた温泉街みたいな場所なんですよ。ホントに。

【まるで遊園地! カジノもあるよ☆】

ナイアガラ川沿いのメインストリートから少し坂を登ると、ハンバーガーを片手に通りを見下ろすフランケンシュタインが視界に飛び込んできます。そこにあるのは、バーガーキングと、お化け屋敷? 何なのその組み合わせ……。

ほかにも迷路あり、観覧車あり、蝋人形館あり、ゲームセンターあり。恐竜のオブジェや横倒しになったビルの上に立つキングコングなど、右を見ても左を見ても、まるで遊園地かと思うような街に、突然辿り着きます。

どういう計画で作ったらこういう街ができあがるの? と、歩きながらハテナマークが頭の中を乱舞。せっかくの大瀑布を目の前にしながら、原色バリバリのアトラクションとレストランがズラリと並ぶ風景に、笑いが止まりません。

夜には街がライトアップされ、さらに「遊園地感」がマシマシに。

滝に飽きたらココに来い! と言わんばかり、ただただクリフトン・ヒルは「楽しむための場所」なんです。

そうそう、街の一角には「カジノ・ナイアガラ」もあります。18歳以上なら、パスポートを持っていれば入れますよ〜っ。入場料などはナシ!

カジノと言うと敷居が高いイメージがありますが、ここにはややこしいドレスコードもなく、みんな普段着。撮影禁止だったので写真がありませんが、ちょっと見学〜という感じで入っても違和感なかったです。

ギャンブルが苦手な人も、話のタネに立ち寄ってみると楽しいかも☆

見る人によってはギョッとするようなキッチュな街ですが、歩いていると子ども連れのファミリー客がめちゃくちゃ多いのが印象的なんですよね。本当に「遊園地」みたいに、家族みんなで遊びに来る場所なんだなぁ。

夏場には、巨大なウォーターパークもオープンするクリフトン・ヒル。まさに大人も子どもも楽しめる、一大アミューズメントエリアでした。

【おいでませナイアガラの滝】

実はナイアガラの滝には発電所があり、上流のダムで水量を調整しています。あの圧倒的な水量でも減らした状態というのが驚きですが、それでも毎年少しずつ滝周辺の崖が削られて後退しているのだそう。

そういう形で滝そのものに人の手が加わっていること、さらには国境に位置していることもあり、ナイアガラの滝が世界自然遺産となることは、おそらくないと言われています。

でも、だからこそ、ナイアガラの滝周辺のエリアは完全に観光地化に振り切ることができているんですよね〜。

カナダの東の玄関口、トロントのピアソン空港からナイアガラの滝までは、バスで1時間ほどと距離も近め。力強い自然の風景と、ザ・北米テイストの遊園地のような景観、セットで楽しんでみてはいかがでしょう☆

撮影・執筆=森本マリ (c)Pouch

▼滝が全然出てこないクリフトン・ヒル公式紹介動画

▼坂を降りるとその先に滝があります

▼おもちゃの街みたいなカラーリング

▼バスターミナルはなぜかものすごく寂れてる。。