19世紀末から20世紀にかけて活躍したオランダ出身の画家、ピエト・モンドリアン。本格的な抽象絵画を描いた初期の画家のひとりとされていて、赤・青・黄で構成された作品『コンポジション』が非常に有名です。
今回ご紹介するのは、モンドリアンの絵画の世界にインスパイアされたアパートメント。
『コンポジション』と同じように赤・青・黄がふんだんに使われた室内は “直線” に溢れていて、あたかも絵の中に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥りそうになるんです。
【誰が手がけたの?】
アパートメントを完成させたのは、ブルガリアのデザインスタジオ「Brani & Desi」。
モンドリアン作品に影響を受けた2人のデザイナー、ブラニミラ・イヴァノヴァ(Branimira Ivanova)さんとデジスラヴァ・イヴァノヴァ(Desislava Ivanova)さんが、インテリアデザインを手がけているそうです。
【モノトーンが効果的に使われています】
デザインスタジオの公式インスタグラムでアパートメントの全貌を見ることができるのですが、赤・青・黄のほかにモノトーンの白と黒を採用していて、とってもモダン。
余白を感じさせる白と、引き締め効果のある黒を入れることによって、部屋としての奥行きがさらに出てきているように感じられます。
面白いのは、見る角度によって、お部屋が “平面の絵” にしか見えない点。
部屋全体が折れ線と幾何学的形状で構成されているせいなのか、見ようによっては3Dではなく2D、つまりは平面に見えてしまうため、一瞬頭の中が混乱してしまうんですよね……!
【モンドリアンといえばイヴ・サンローラン】
モンドリアンの作品にインスパイアされた芸術家およびデザイナーは数知れず、代表的なのはイヴ・サンローランが1965年に発表したミニドレス。当時は “モンドリアン・ルック” と呼ばれて大ブレイクし、世界中でコピー品が作られたほどです。
このように、モンドリアン作品をモデルにした洋服があるのだから、部屋ができてもおかしくはありません。
【名画モチーフの部屋が他にも】
イヴァノヴァさんたちは、モンドリアン風の部屋以外にも、モネやゴッホの名画の世界からインスパイアされた部屋をデザインしています。
スタイリッシュでエッジが効いていてとっても素敵だけれど……ここまで前衛的だと、ぶっちゃけ、落ち着いてまったりできなさそうな気もしますね(笑)。
参照元:Brani & Desi、Instagram @branidesi、Twitter @BraniDesi
執筆=田端あんじ (c)Pouch
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