フランスで暮らしていると「え、そんなことするの!!」「マジですか!?」と、驚くことがいっぱい。日本では知ることのなかった事柄が、日常のあちこちに転がっています。それはもう、ネタの宝庫!

そんなわけで、南仏での暮らしの中で見つけた、おもしろいことや意外なモノをどんどんお伝えしていきます♪

本日はフランスで生活して驚いた「菓子パン」のお話です。

【クロワッサンはパンではない!?】

ある週末の朝のこと。朝食のパンをめぐって、夫とこんな会話を交わしました。

私:今朝のパンはクロワッサンにしない?
フランス人夫:え、パン? クロワッサンはパンとは言わないだろ。
私:え? パンじゃなければ、何だって言うの……。
フランス人夫:「ヴィエノワズリー」でしょ。じゃ、クロワッサン買いに行ってくるね。

【パンとお菓子の中間カテゴリー】

フランスにはパンとお菓子の中間の、ヴィエノワズリー(viennoiserie)というカテゴリーが存在するんです。

ヴィエノワズリー? 何ソレ? 耳慣れない言葉かなと思いますが、日本でいう「菓子パン」に近いイメージです。さらには甘くなくても、クロワッサンのようにサクサクのパイ生地に近いものはこれなのだそうな。

クロワッサンにパン・オ・ショコラ、りんごのコンポートが入ったショソン・オ・ポム、卵とバターたっぷりのブリオッシュ、ベニエと呼ばれるフレンチスタイルのドーナツなどは、みんなこの「ヴィエノワズリー」なんです。

意味は「オーストリアの“ウィーンスタイル”の食べもの」という感じ。(今でこそヴィエノワズリーはフランスを代表する食べものだけれど、マリー・アントワネットの時代にオーストリアから入ってきたという説が有力のため)。

ちなみに、日本で暮らすフランス人に人気のメロンパンも、フランス人曰く「パンとは言わない」そう。もちろんクリームパンも。パンなのに、パンとは言わない。なんだかややこしいなぁ……。

【フランスでパンと言えば?】

さてさて、フランスの食卓にはパンが欠かせないことを以前お伝えしました。お米を食べるときだって、パンは絶対不可欠な存在! その理由は……フランス人の主食だから。

でも、主食として食べるパン、チーズと一緒に食べるパンは「何でもOK」ってわけではないんです。お料理やチーズの味の邪魔をしないパン、多くの場合はバゲット(※いわゆるフランスパン)を用意します。

ところがバゲットとひと口に言っても、パンの国だけに種類がたくさんあるので、こちらもちょっとややこしい……。本題から離れてしまいそうなので、この話はまたの機会に!

ちなみにヴィエノワズリーを食べるのは、週末など時間がある日の朝食タイム、またはおやつの時間。普段の朝の食卓に並ぶのは、やっぱり「パン」。そう、ほとんどの場合、バゲットです。

執筆:sweetsholic (c)Pouch
Photo:(c)Pouch