【最新公開シネマ批評】映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。

ピックアップするのは岸優太主演映画『Gメン』(2023年8月25日公開)です。『ナンパMG5』の小沢としおの青春ヤンキー漫画の映画化。最初から最後まで岸優太の魅力に溢れたコミカルで本当に楽しい作品でした!

では物語から行ってみましょう。

【物語】

女子にモテモテの男子校・武華に転校してきた高1の門松勝太(岸優太)。「彼女を作るんだ!」とワクワクしてG組へ行ったら、そこはヤンキーとオタクが集まった校内最底辺のクラス。

しかし、門松はG組の落ちこぼれ野郎たちと「彼女を作る!」という目標のために一致団結。前向きに突き進もうとするものの、そこに半グレ軍団が絡んできて……?

【岸優太が最高に輝く!】

結論から申しますと、すごく面白かったです!

ヤンキーたちの青春映画といえどケンカ上等なハードなドラマではなく、ただ「彼女が欲しい」という一点のみで団結していくG組男子たちのおバカっぽさと純朴さが絶妙にマッチした作品。爆笑シーンの連続で愛嬌もたっぷりな愛すべきヤンキー青春映画なのです。

その中心にいるのが岸優太さん演じる門松勝太。恋愛に不器用な純情男で、ちょっと抜けているのかなと思いきや、ケンカが強くて、情にもろくて「岸優太以外にこの役を演じられる人っている?」と言いたくなるほどのハマり役!

岸さんのファンはもちろん、岸さんのお芝居を見たことなかった人でも、この映画をきっかけに俳優・岸優太にハマる人が続出しそうです。

実は私もそのひとり。これからもたくさん映画に出てほしいし、もっといろんな役に挑戦する岸さんの姿を見たいと思いました!

【にぎやかで面白すぎるキャラクターがいっぱい】

この映画の面白さは勝太の魅力だけではありません。

可愛いのにテンションがおかしくて暴力的な雨宮先生(吉岡里帆さん)。

エリートクラスのイケメンなのに勝太に「バカですか?」と言われるほどの抜けっぷりが見事な瀬名(竜星涼さん)、G組の中でも親父顔で昭和の不良みたいな梅田真大(森本慎太郎さん)などの個性的なキャラクターが登場し、次々と笑いを巻き起こしていきます。

またクセ強めですが後輩思いのかっこいい最強の先輩ふたり(田中圭さん・高良健吾さん)が、G組メンバーがモタモタしていると要所要所で締めてくれて、頼りになるんですよ〜。

【シンプルなストーリーをキャラの濃さで強化!】

物語はとてもわかりやすいです。彼女を作りたい勝太がレディースのレイナ(恒松祐里さん)に出会い、いい感じになるものの、半グレ軍団のボス(尾上松也さん)に絡まれ、レイナが危機にさらされるという展開。

このシンプルなストーリーをめちゃくちゃ濃いキャラクターの登場人物たちが掻き回して、作品を分厚く見応えのあるものにしていると感じました。

特におバカなエピソードの数々で笑わせながらも、勝太とレイナの不器用な恋愛にキュンとさせた後に登場する半グレたちとのケンカシーンは本作最大のハイライト。

全員がキレッキレのアクションを見せてくれて、最高にかっこよくかつエキサイティング。ポンコツな一面とのギャップに萌えること間違いなし!

アクションも含めとにかく見せ場が多いので、ぜひ大スクリーンで観てほしいです。

たくさん笑って、盛り上がって、スカッとする映画『Gメン』。夏の終わりを大いに盛り上げてくれる映画ですよ、必見!

執筆:斎藤 香(c)Pouch
Photo:©2023「Gメン」製作委員会 ©小沢としお(秋田書店)2015

Gメン
(2023年8月25日より全国ロードショー)
原作:小沢としお「Gメン」(秋田書店「少年チャンピオン」コミックス刊)
監督:瑠東東一郎
出演:岸優太、竜星涼、恒松祐里、矢本悠馬、森本慎太郎、りんたろー。高良健吾、吉岡里帆、大東駿介、尾上松也、田中圭