時を超えて愛されている、ルイス・キャロルによる不朽の名作『不思議の国のアリス』。

170以上の言語に翻訳され、世界中でベストセラーとなっている本作ですが、元々は即興で作られたお話ってご存じでしたか?

『不思議の国のアリス』がどのようにして生まれ、どのような過程を経て、世に知られることになったのかーーー。そのすべてがわかる展覧会が日本で初開催されます!

【『不思議の国のアリス』の成り立ち】

『不思議の国のアリス』が生まれたのは1862年のこと。数学講師のルイス・キャロルが、リデル家の3姉妹のために聞かせた即興のお話がもとになっています。

『不思議の国のアリス』挿絵 ハリー・シーカー/彩色(1911年)© Macmillan Publishers International Limited. THE MACMILLAN ALICE™

その2年後の1864年、ルイス・キャロルは、即興のお話に挿絵を添えて『地下の国のアリス』を作り、リデル家の次女・アリスにプレゼントするのですが……なんとこれが『不思議の国のアリス』の原型なのだとか!!

その後は、様々な画家やアーティストが、『不思議の国のアリス』の世界を膨らませていきました。

【注目ポイント①挿絵の変遷を辿れる!】

この春開催される出版160周年記念 「不思議の国のアリス展」では、約160年にわたる『不思議の国のアリス』挿絵の変遷を鑑賞できます。

『不思議の国のアリス』挿絵 ジョン・テニエル/画(リトル・フォークス版)(1907年) © MPIL THE MACMILLAN ALICE™

キーパーソンとなるのはこの5人!

①生みの親、ルイス・キャロル
②現在のアリスのイメージをかたちづくった風刺挿絵画家、ジョン・テニエル
③青いドレス&白いエプロンといったアリスのカラーイメージを確立したアーティスト、ハリー・シーカ―
④34点の挿絵をカラー化した画家、ジョン・マックファーレン
⑤『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』全ての挿絵をカラー化した女流画家、ディズ・ウォリス

『不思議の国のアリス』のはじまりから現在まで、照らし合わせてみることができる貴重な機会です。

『不思議の国のアリス』挿絵 ハリー・シーカー/彩色(ジョン・テニエル原画)(1911年) © MPIL THE MACMILLAN ALICE™

【注目ポイント②お話を知らなくても楽しめる!】

今回の展覧会では、日本初公開となるカラー原画など250点に加えて、

・ルイス・キャロルがアリスにプレゼントした『地下の国のアリス』の復刻版
・『不思議の国のアリス』オリジナル木版から再プリントしたジョン・テニエルの挿絵集
・ルイス・キャロルの貴重な資料

なども展示されるのだそう! 物語を知らない人でも楽しめるよう、原画および再プリント版画にはストーリーを添えて展示するといいます。

『鏡の国のアリス』挿絵 ハリー・シーカー/彩色(ジョン・テニエル原画)(1911年) © MPIL THE MACMILLAN ALICE™

知っているようでよく知らない『不思議の国のアリス』の世界を深掘りできるチャンスです……!

『不思議の国のアリス』口絵 ジョン・マックファーレン/画(ジョン・テニエル原画)(1927年) © MPIL THE MACMILLAN ALICE™

【グッズも素敵なんです♡】

2024年4月17日から5月6日まで横浜高島屋ギャラリーで開催される出版160周年記念 「不思議の国のアリス展」。入場料は、一般1200円、大学・高校生1000円、中学生以下は無料。前売り券も発売されています。

会期中にはオリジナルグッズも登場し、挿絵の世界観をそのまま落とし込んだ巾着バッグやミラー、マグなどを展開します。アーティスティックなデザインゆえに、いい意味でグッズっぽくなくて最高〜!!

ちなみに、5月以降には、大阪高島屋グランドホールと名古屋松坂屋美術館も巡回するとのこと。詳しくは参照サイトからチェックしてみてくださいね。

参照元:出版160周年記念 「不思議の国のアリス展」プレスリリース
執筆:田端あんじ (c)Pouch