ふと立ち止まって自分の人生を振り返ってみたとき、あなたは何を思うでしょうか。

理想的な人生を歩んでる? それとも……「こんなはずじゃなかった」って思ってる? 今回ご紹介するのは、生きる意味について問う、ディズニー&ピクサーによる傑作ファンタジーアニメーションです。

毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。

今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、ディズニープラスで配信中の映画『ソウルフル・ワールド』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!

【あらすじ】

ニューヨークで音楽教師をしている主人公・ジョーは、子どものころからジャズミュージシャンになる夢を抱き続けてきました。

これまでなかなかチャンスをつかめずにくすぶっていたのですが、とあるご縁で尊敬するミュージシャンのライブに出演できることに! ついに夢が叶うんだと浮足立っていたジョーでしたが……あろうことかマンホールに落下して生死を彷徨う羽目になるのです。

ソウル(魂)となったジョーがたどり着いたのは、ソウルたちが地上に生まれる前に「どんな自分になるか」を決める世界でした。そしてそこには、やりたいことを見つけられずに人間になることを拒み続ける、「22番」がいたのです。

【ココが見どころ!】

<その1:夢を持つ人・そうでない人・夢破れた人、すべての人に刺さる物語>

「やりたいこと」は明確にあるけれど、思いどおりに人生を歩めていないと感じているジョー。そんな彼が出会ったのは、そもそも「やりたいこと」が見つからない22番でした。

22番は、ソウルの世界に留まり続けるうちに、人間の世界を忌み嫌うようになります。なぜなら、自分にとって心躍るものがなんなのかわからなかったし、周囲から「こう生きるべきだ」「なぜできないのだ」と言われすぎてしまったから……。

おそらくあなたの周囲にも、ジョーや22番のような人がいるのではないでしょうか。ひょっとしたら、あなた自身がジョーであり、22番なのかもしれません。

夢を持つ人、そもそも夢というものがない人、そして夢破れた人。この物語は、その誰もが主人公になれる作品なのです。

<その2:ソウルの世界に住むキャラクターたちが魅力的!>

ジョーが迷い込んでしまったソウルの世界には、生まれる前のソウル(魂)のほかに、彼らを教え導く「ジェリー」とソウルの数を管理する「テリー」いう存在がいます。

なんとも不思議な存在感を放つ彼らは、時にやさしく、時に哲学的で、時にユーモラス。ファンタジー映画になかなか出てこなさそうな独特のビジュアルにも目を奪われることでしょう。

そして、ソウルの世界には、トランス状態になることで人間界とつながり続ける(!)「ムーンウィンド」という人物もいます。深みのあるストーリーもさることながら、個性豊かなキャラクターたちにも魅了されちゃうはず。

<その3:生きる意味ってなんだろう…その答えはあなたの胸のなかに>

本作には「生きる意味とはなんだろう」という壮大なテーマが隠されています。ところで……あなたは人生にどんな意味があると思いますか?

人それぞれ、いろんな解釈があると思います。そして、そのすべてが答えといえるのかもしれません。

本作を鑑賞するなかで、「生きる意味とはなにか」という問いにもっともしっくりくる答えを見つけてみて。

【音楽も必聴です】

アカデミー賞で長編アニメーション賞も受賞している本作は “人生のきらめきを見つける物語” 。鑑賞し終えたとき、きっと多くの人が、なにげない瞬間にある人生のきらめきに気がつくことができるんじゃないかと思います。

そして、本作は音楽も素晴らしい! デューク・エリントン『Things Ain’t What They Used to Be』をはじめ、様々なシーンに登場するジャズナンバーに耳を澄ませてみて。

ちなみに……ジョーと22番がニューヨークの地下鉄で出くわすストリート・ミュージシャン役を務めているのは、なんと瑛人さん。ぜひこちらにもご注目を!

■今回ご紹介した作品

ソウルフル・ワールド』(原題:Soul)
ディズニープラスで配信中

※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。

執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:© 2024 Disney/Pixar