ハロウィンシーズンには、ハロウィン気分を盛り上げてくれる作品が観たくなるもの。カルト的人気を誇る『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』もそのひとつと言えましょう。
今回ご紹介するのは、その『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』を手がけた奇才ヘンリー・セリック監督による “大人向けストップモーションアニメ” です。おどろおどろしくも、スタイリッシュでパンキッシュな物語の結末は……?
毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。
今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflixアニメ映画『ウェンデルとワイルド』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!
【あらすじ】
両親と一緒にカーニバルに出かけた幼い少女・カット。幸せなひとときを過ごしていたものの、車で帰る途中に事故に遭い、両親を亡くしてしまいます。
ひとり生き残ったカットは養護施設で暮らすことになりますが、自分のせいで両親が死んだのだと思い込んで自暴自棄に……。
やがて13歳になったカットは新たな学校に通うため、故郷の町へと戻ります。そしてある日のこと、悪魔の兄弟・ウェンデルとワイルドに「両親を生き返らせてやるから取引しよう」と持ちかけられ、その話に乗ってしまうのです。
いっぽうそのころ、町ではクラクソン夫妻による破壊行為が繰り返されていました。クラクソン夫妻は、町を廃墟にして刑務所をつくろうともくろんでおり……?
【ココが見どころ!】
<その1:大人も楽しめるストーリー展開>
ある日突然ひとりぼっちになってしまったカット。おまけに、まだ幼い子どもにもかかわらず「自分の過ちで両親を死なせてしまった」というトラウマまで抱えることになってしまいます。
ひとつひとつ壁を乗り越えて、トラウマを克服していくカットの成長は見もの。大人になれば、誰でも大なり小なりトラウマを抱えていると思うので、自分を重ねてしまう人もいるかもしれません。
また本作では、現代社会にも通じる「さまざまな家族のかたち」や「ありとあらゆる差別」も描かれています。人々の奴隷化、不正選挙など、さりげなくもハッとさせてくれるストーリー展開にご注目!
<その2:ハロウィンにぴったり! スタイリッシュな世界観>
本作の世界観は、まさしくハロウィンそのもの。生と死の世界をまたにかけた作品ということもあり、悪魔やモンスター、棺桶の中から生き返る人々(!)など、おどろおどろしいキャラクターがじゃんじゃん出てきます。
それでいて、悪魔もモンスターもよみがえる死者たちも、どこかおまぬけなので怖くはないんですよね(笑)。
そ・し・て!本作を語る上で欠かせないのはスタイリング。
主人公のカットは13歳ですが、ピアスあけまくり&パンクロックなファッションでキメております。友人のラウールをはじめ、サブキャラたちの髪型やいでたちも最高にクールです。
<その3:製作陣がすごい>
本作の監督を務めるのは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリックさんです。そのことは冒頭でもお伝えしておりますが、彼とタッグを組んでる脚本家もすごいんですよ。
なんとなんと、『NOPE/ノープ』『アス』『ゲット・アウト』を手がけるジョーダン・ピールさんが脚本家に名を連ねておりまして、いたるところで “ジョーダン・ピール節” を垣間見れちゃう!
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』×『ゲットアウト』って、どう考えても面白くないわけがないじゃん……。映画好きの心を躍らせる奇跡の化学反応を楽しんでくださいね。
【え、そっち?】
ハロウィンに向けたカウントダウンにぴったりの本作。1時間46分という、長すぎず短すぎない尺も絶妙なんですよね。
ところで、ここまで読んで「作品タイトル」に違和感を持った人もいるのではないでしょうか。主役のカットではなく、サブキャラ的な立ち位置のウェンデルとワイルドがタイトルになるだなんて……私は思わず「えっ、そっち?」とつぶやいてしまいましたよ。驚くことに、なんと原題も「Wendell & Wild」です!
ちなみに、ウェンデルとワイルドの声を担当しているのは、ジョーダン・ピールさん×キーガン・マイケル・キーさん。実はこのおふたり、『トイ・ストーリー4』のダッキー&バニーの声も務めたペアでもあるので、よく耳を澄ませてみて。
■今回ご紹介した作品
『ウェンデルとワイルド』(原題:Wendell & Wild)
2022年10月28日よりNetflixで独占配信中
※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:Netflix © 2022
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