先日ネットで、ご飯を白クマの形にしてカレーに浮かべた「クマカレー」なるものを見て、びっくり仰天した。そのユーモラスな姿を見て自分でも作りたくなった。せっかくならアレンジしたい。そうだ、クマじゃなくて猫にしよう。白羽の矢を立てたのは、彦根のゆるキャラ「ひこにゃん」だった。

ひこにゃんカレーを作りたい。溢れる気持ちをおさえられず、スーパーに走る。材料はレトレトカレー、ご飯、のり、福神漬け、らっきょう。カレーらしい材料をチョイスしたことで、僕は早くもご満悦だった。

だがそんな浮かれ気分もすぐに消し飛ぶ。ひこにゃんの顔とかぶとの土台はご飯だ。手でご飯を整えなければならない。だが手先が不器用なため、顔の丸みと三角のかぶとに大苦戦。手にご飯つぶがひっつくたびにイラっとしてしまい、早くも暗雲が立ち込める。

なんとかご飯を顔の形にし、のりで目と鼻を作る。のりをはさみで小さく切る難しさは前に作った「いなりらっくま」で嫌というほど味わっている。しかし今回はのりを恐れる必要はない。人類の知の結晶、のりパンチがあるからだ。これで楽に目と鼻を型抜きできる。

のりパンチの効果は絶大で、きれいな鼻とぱっちりおめ目が3秒くらいで出来た。簡単すぎて拍子抜けしたが、早くも次の壁が立ちはだかる。ひこにゃんのかぶとの部分に、赤とオレンジの福神漬けを乗せなければならない。指で小さな福神漬けをつまみ、そおっと

ご飯に置いていく。指がプルプル震え、目が血走る。こんなに長い時間福神漬けとたわむれたのは、人生で初めてだった。

やっとのことで福神漬けを乗せ終え、楽しみにしていた作業が近づく。かぶとの角になる、らっきょうを乗せるのだ。おお、イメージ通りではないか。でかしたぞらっきょう。手と足をご飯で形にし、最後にカレーを流し込めば、出来あがりだ。

細かい作業が多くてしんどかったが、カレーに浮かぶひこにゃんを見ていたら自然と笑顔になった。皆さんもひこにゃんカレーに挑戦してはいかがだろうか。カレーの材料でできるし、癒されますよ。

(ライター:武田タケ)

ライターブログ:「面白いサイトを見つけたよ」(http://omosiroi.jp/