8月1日放送フジテレビ系「SMAP×SMAP」。人気コーナー・ビストロスマップのゲストに、香取慎吾が主演を務めた「こち亀」こと、映画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の出演者たちが勢ぞろいで登場した。

料理の途中、原作漫画の作者・秋本治先生を判定員に迎えて、SMAPメンバーと「こち亀」出演者全員でお絵かき対決を行うことになったのだが、そこで事件が起こる。木村拓哉や伊武雅刀らが非常にクオリティーの高い絵を披露するなか、秋本先生が選んだのは、どう見ても上手とはいえない深田恭子の絵だったのである。
「こち亀」は、1976年から現在まで、少年雑誌「週刊少年ジャンプ」で連載を続けている大人気漫画である。なんと、単行本は現時点までで175巻も出ているというのだから驚きだ。そんな大人から子供まで誰もが知っている大人気漫画が、以前実写ドラマで演じたキャストをそのままに、この夏映画化されたのだ。

今回のゲストは、その映画に出てくる人気キャストばかり。中川圭一役の速水もこみちや秋元・カトリーヌ・麗子役の香里奈をはじめ、巡査部長・大原役の伊武雅刀、さらには映画版のオリジナルキャラクターで香取演じる両津勘吉の初恋の人を演じる深田恭子など、大所帯。なんと会場のお客さんまで本当の亀有住民という徹底ぶりに、香取以外のSMAPメンバーは若干戸惑い気味である。ついには原作漫画の作者である秋本先生まで現れて、ビストロスマップは完全に「こち亀」にジャックされてしまった。

そんななか行われたのが、秋本先生を判定員としたお絵かき対決。「こち亀」の主役である両津勘吉を、誰が一番上手に描けるか競うことになった。絵を1枚ずつ見ていくと、香里奈や深田の絵は女の子っぽくて可愛らしいのだが、とても上手とはいえないでき栄え。一方、草彅剛が描いた絵はなんだか不気味で、「こち亀」には絶対に出てこないであろう顔つきをしている。

そのほか、どれもこれも「うーん」と黙り込んでしまうほど微妙なクオリティーの両津勘吉が並ぶなか、群を抜いて上手かったのが木村拓哉と伊武雅刀だった。特に木村の絵は、「秋本先生が見本として描いた絵の表情やポーズとほぼ同じ」という奇跡まで起こしており、誰もが木村の絵が一番に選ばれると思っていたのだが……。

ところが、秋本先生が1位に選んだ絵は、木村のではなく別の絵だった。選ばれたのはなんと、深田の絵。この判定に会場は騒然。決して上手ではなく、さして印象にも残らない深田の絵が選ばれたことに、みんな違和感を隠せない。

「単なるえこひいきでは?」という空気が漂うなか、秋本先生は「上手い絵を選んだら普通じゃないですか」と苦しい言い訳をする。しかしこれは対決。上手いのを選んで当たり前なのだから、この言い訳はやっぱり不自然なのだ。結局「秋本先生は深キョンが好きだということです」と中居正広が結論づけて、事態は収束したのであった。

ちなみに香取の暴露によると、秋本先生は深田だけでなく香里奈のことも好きらしい。香取や速水に対する態度と、香里奈に対する態度があからさまに違うらしいのである。

秋本先生も男性なので、美女をひいきするのは仕方のないことだろう。むしろ、ここまであからさまだと、清々しい気さえしてくる。秋本先生のとても素直な人柄を垣間見れた、ある意味貴重な放送であった。

(文=田端あんじ)