「なぜ、福島県相馬市を訪問されたのか?」

今回、福島県の被災地を訪れたブータン国王夫妻。ほかにも被災した地域があるなかで、なぜ相馬市へ訪問することになったのでしょう。

事の始まりは9月末。ブータン王国のティンレイ首相が、被災地・福島県相馬市の桜丘小学校を訪問しました。関係者の話によると、ブータン国内でも東北が被災した様子が報道され、原発事故による懸念が広がっているとのこと。風評被害をなくすために、原発近くの被災地訪問を強く希望されたのだそうです。国王夫妻による相馬への訪問は、こういった背景のなかで決定したようです。

「ブータン国民を代表し、皆さんを励まし親愛の情を表すために来ました」

そして先週18日に、同じ地へ訪れたブータン国王夫妻。当日、当サイトでも同小学校ご訪問の様子を急ぎ足でご紹介しました。本日は仲睦まじい国王夫妻の訪問時のご様子や、ご結婚秘話などをご紹介します。

笑顔が素敵なワンチュク国王(31)と、先月ご結婚なされたばかりの美しい王妃として名高いジェツン・ペマ王妃(21)。最初はやや緊張気味の面持ちでしたが、同小5、6年生の演技を見ていた、ワンチュク国王の真剣な眼差しと時折見せる満面の笑みは印象的でした。王妃も凜とした表情のなかに、柔らかい笑顔を覗かせます。

集合写真の撮影時には、お互いに顔を寄せ合ったり満面の笑みを覗かせるなど、お二人の仲睦まじさが垣間見える瞬間が何度もあったほど。常に王妃を気遣う国王、そして慕う王妃。ふたりを見ているだけで、こちらも幸せな気分にさせられますね。

ところで王妃と国王の結婚秘話を皆さんご存知ですか? なんと、王妃がまだ7才のとき、当時17歳だった国王に「大きくなったら結婚してください」とお願 いしたのだそうです。「大きくなっても覚えていたらね」と伝えた国王は、10年後、17歳になったジェツン・ペマさんに求婚したのだとか。長い年月を超え ての、念願のご結婚だったのですね。とてもロマンチック。運命とは、こういうことなのかもしれませんね。

話しがそれてしまいましたが、小学校訪問で国王陛下が子供たちに話した「龍」のお話も忘れてはいけません。「自分の体験の上に存在し、経験によって大きくなるという心の中の龍。自分の龍を鍛錬して、感情などをコントロールすることが大切」というもので、ブータンの子供たちにもお話して聞かせるそうです。この様子は、編集部が撮影した動画でご覧いただけます。ご興味のある方はご覧になってみては?

次に来日するときは日本語を勉強し、もっと色々なことをお話したいという国王陛下。強い絆ができたと述べ、また、ここへ(同小学校)へ戻ってくると約束されました。

国民の幸福度が世界一高いというブータン王国。こんなにも優しくお幸せそうなお二人を見ていると、ブータン王国の価値観を見習いたくなります。

(取材、写真、文=める

▼【動画】 ブータン国王による「龍」のお話

▼【画像】国王夫妻をメインにご紹介

▼【動画】 ブータン国王による「龍」のお話