甘いお菓子って幸せ♪ それが可愛い姿をしていたら心も余計に躍っちゃいます。そんな可愛い乙女菓子を日々探しているのですが、日本の洋菓子の歴史を考えても、かなり古株な乙女菓子が東京・駒込にあるそう。ウルウル瞳とクルクル尻尾が可愛い『フランス菓子 カド』のブタちゃんケーキ

ここのブタちゃんは、ただ可愛いだけじゃないよ! こちらのお店は創業50年以上。創業者は日本人として初めてフランスに菓子修行に行ったパティシエという本格的なフランス菓子のお店なのです。

乙女菓子を求めてやってきたのは、駒込にある『フランス菓子CADOT(カド)』。以前、ポーチでもご紹介したバラ園「旧古河庭園」のほど近くにあります。

こちらは、日本人として初めてフランスに菓子修行に出た高田壮一郎氏が1960年開いたお店です。当時から「フランスの珍しい菓子を売っているお店」として有名だったそうです。

また、日本初のノーベル文学賞受賞作家・川端康成も壮一郎氏の作るお菓子を「フランスでも滅多に味わへない本格的な良心的な作品」と絶賛したことでも知られています。店内には川端康成直筆の推薦文も飾られていました。

そんなきらびやかな由来を持つ同店ですが、お店のたたずまいは素朴そのもの。店内もご近所の方で賑わっていましたよ。

ショーケースの中にあるお菓子も素朴で可愛らしい雰囲気。そして下の方に……いました! ブタちゃんケーキ! 商品名「コショネ(cochonnet)」はフランス語で「こぶた」という意味。手のひらサイズでコロコロ、めっちゃ可愛い。

ブタちゃんはウルウル瞳。うっ! そんな上目づかいで見ないでっ!

柔らかそうな厚みのある耳に、

そしてブタちゃんのシンボル「くるん」っとなった尻尾。コショネをつくる職人さんの手が見えてくるような温かいフォルムです。

コショネは、フランス菓子の代表・マドレーヌに昔なつかしのバタークリームをはさみ、ピンクのマジパンで包んだケーキです。うーん、見るからに甘そう!

でも、食べてみると、あれ、想像とは違う? 優しくて控えめな甘さがふわ~っと広がりました。

口のなかでマジパンがすーっと溶けて、その下からしっとりマドレーヌ! 中のバタークリームとの調和もバツグンです。このバランスは、さすが老舗。上品な味に感激です☆ しつこくないので、パクパク食べられるコショネ。食べ過ぎてこっちがブタちゃんになっちゃわないように気をつけないとですね。

・ご紹介したお店
『フランス菓子 カド』
東京都北区西ヶ原1-49-3(JR駒込駅より徒歩7分)

(写真、文=おおさか もぐみ)

▼川端康成直筆の推薦文、字が難しいよー!

▼楷書体に書き直されたもの、高田壮一郎氏のお菓子を絶賛です

▼可愛いよぅぅ

▼持ち帰り用の箱もメルヘンだよ♪