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もうすぐ年末年始。日頃、公共交通機関に赤ちゃん連れで乗ることを避けているママも、やむを得ず飛行機に乗ることもあるのではないでしょうか。

赤ちゃんは気圧の変化に泣くことで対応することもあるので、泣かせないようにするのが難しいこともあります。赤ちゃんは泣くものだし、赤ちゃんの泣き声を騒音だと捉えないような社会になったらステキです。でも、現実的には色々な考え方の人がいる飛行機内で、我が子が大泣きしたら、ママは居たたまれない気持ちになるのではないでしょうか。

そこで、機内事情に詳しい元フライトアテンダントのママが赤ちゃん連れで飛行機に乗る時に心がけていることを調べてきました。

教えてくださったのは、元日本航空の客室乗務員、オースタン紗知子さん。ご自身も10ヶ月の赤ちゃんを子育て中で、周りの元客室乗務員ママにもヒアリングして、コツを教えてくださいました。

■心得編
1. 周りの人に気配り・心遣いをする

「赤ちゃんが泣くことは当然のことなのですが、いろいろな人が乗ってくる機内では泣き声がうるさいと思う人もいて当たり前。そんなときに、保護者の方が『赤ちゃんは泣くものです』と開き直ってしまうと、うるさいと思っている人は文句を言いたくなる気持ちにもなります。申し訳ない気持ちを持つことが必要です。」
と、オースタンさんは言います。

以前ネット上でも「双子の赤ちゃんを連れて飛行機に乗ったパパ・ママが、乗客に先手を打ってお菓子と手紙を配り、耳栓を用意して感動を集めた」という記事が話題になりました。そこまでする必要はないと思いますが、周りの人に「うるさくなったらごめんなさい」など声をかけるなど、ちょっとした気配りをすると、みんなが気持ちよく飛行機に乗れそうです。

2. ママは笑顔でいる
気遣いをしなくてはいけないからといって、ママが不安になってしまうと、それはそれで逆効果。
「お母さんが不安になると、赤ちゃんも不安になって泣いてしまうので、お母さんは笑顔でいることも大切です」
とオースタンさんは言います。とはいえ、気遣いをしながらニコニコするのってけっこう難しそう。ただ、感情と表情を研究する心理学者のポール・エクマン博士によると、笑顔を作っていると、次第に心理状態も明るくなるとのこと。そのため、機内で不安な気持ちになりそうになったら口角を上げてみるのも手です。

3. 赤ちゃんをフライト前にあまりに寝かさないで、疲れさせておく
元フライト・アテンダントのママ達は、空港内のキッズルームなどを賢く利用して、飛行機に乗る前によく遊ばせて疲れさせておくそう。オースタンさんは、
「飛行機に乗ったらすぐに赤ちゃんが寝てくれると、お母さんも少し休むことができます。赤ちゃんも寝ている間に移動してしまうので、負担が少ないはずです」
と言っていました。といっても、過度に疲れさせてぐずってしまっては元も子もありません。ぐずらない程度に疲れさせておくようにしましょう。

4. 赤ちゃんのおなかを少しすかせておく
赤ちゃんは離陸の際の耳の気圧調整ができないために、痛みで泣くこともよくあるそう。幼児は飴をなめさせるなどして対策ができますが、赤ちゃんの場合は飴をなめることはできません。
「離陸時に、飲み物を飲ませると耳の気圧調整に効果がある場合があります。そのため、離陸時に合わせて赤ちゃんが飲み物を飲んでくれるように、調整するといいかもしれません」
とオースタンさんは言います。こちらも、過度におなかが減ってぐずってしまうと意味がないので、日頃の様子から判断して調整してください。

■持ち物編
続いて「持ち物編」。赤ちゃん連れで移動するときに、おむつや着替えなどを用意するのは一般的ですが、元フライト・アテンダントの方々は、こんな持ち物を持ち込んで、赤ちゃんが泣かない工夫をしているそう。

・離陸時に飲ませる飲み物や普段使っているマグ
「心得編」で、赤ちゃんの耳の気圧調整のために離陸時に飲み物を飲ませると良いということを伝えましたが、水平飛行に入るまで機内での飲み物のサービスはありません。そのため、離陸時に赤ちゃんに飲ませる飲み物は自分で持ち込んだ方が懸命。100ミリリットルを超える液体は機内に持ち込めませんが、赤ちゃん用の飲み物は制限の対象外になります(制度は変わることがあるので、念のため、事前に確認してください)。

飲み物を持って行かない場合は、手荷物検査が終わった後に購入するか、飛行機に乗ったらすぐにクルーにお願いするのも良いでしょう。いずれにしても普段使っている慣れたマグなどを持って行くと、飲ませやすいのでおススメとのこと。

・夏用ジェルシート持参
赤ちゃんは暑さでぐずることもあるとのこと。そのため、オースタンさんは飛行機にジェルシートを持っていき、赤ちゃんの温度調整に役立てているそうです。

・目新しいおもちゃと普段お気に入りのおもちゃ
赤ちゃんがご機嫌で空の旅を過ごせるように、オースタンさんは目新しいおもちゃと、普段お気に入りのおもちゃを持って行くそう。ただし、音の出るおもちゃは注意。赤ちゃんがご機嫌でも、おもちゃがうるさくて周りの人が迷惑になってしまっては、元も子もありません。

いかがでしょうか。赤ちゃんだって飛行機で泣きたいわけではありません。なるべく気持ちよく赤ちゃんが飛行機で過ごせるようにして、周りの人も気持ちよく過ごせるといいですね。でも、何より一番大切なのはママの笑顔ですよ!

(取材、文=FelixSayaka
取材協力=オースタン紗知子