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遠路はるばる東京からやって参りました、富山県! さすが、日本海沿いの都市、一面銀世界でございますよ。空気も実に清々しいものですね。

さて、今回富山県に来たのはご当地ラーメンを食べるため。そう、ラーメン好きの方であれば、すぐにピンとくるでしょう。富山独特の醤油ラーメン、真っ黒なスープが特徴の「富山ブラック」を!

記者も何度か東京ラーメンショー※やカップラーメンで「富山ブラック」を食べたことがあります。醤油でスープが真っ黒になっているくらいですからねえ、どれもなかなかのショッパさですよ。しかし、旨味もあるので身体に良くないと思いつつも思わずスープを飲みたくなってしまいます。よくダシの旨味がかき消されないものだと感心するばかりでした。(※2009年ラーメンショーにて「麺家いろは」のものを賞味)

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富山ブラックの始まりは、戦後にさかのぼります。「大喜」という店が、肉体労働者のための塩分補給として、醤油を濃くしたスープのラーメンを作ったのだそうな。同店は2000年に当時の店長が閉店を決意したものの、ほかの企業に買い取られ「西町大喜」の名で店舗展開しております。

今ではスープの色が濃いラーメンを富山ブラックと呼び、他にもいくつか評判の良いお店があります。一方、この元祖富山ブラックである『大喜』は今では信じられない程のショッパさだそうで、なんでも完食できない人や怒りを覚える人までいるという噂が! ネットに寄せられた昔馴染みの常連の話によると、以前はここまでショッパくはなかったと嘆いているようです。

ほかのお店のもなかなかのショッパさだというのに、いったいどれだけヤバいんだろう? ここは食べておいた方がいいんじゃないだろうか。記者はそんなにラーメン通ではないけれど、やっぱり食べていおいたほうがいいのではないか? そんな脅迫観念さえ芽生えてきまして、この機会にトライしてみることにしたのでした。

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今回記者が訪れたのは、「大喜富山駅前店」。16時半と中途半端な時間だったからか、店内でラーメンを食べていたのはお客さん1名。半ばドキドキしながら店内に入ると、醤油の良い匂いがほんわかと漂ってきました。うーん、この通りの味なら言うことないんだけどなあ!

メニューにあった「中華そば大」1000円と「中華そば特大」1400円には見向きもせず、「中華そば小(並)」700円を注文。ドキドキしながら待つこと数分後、キターッ!!

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目の前にゴトリと差し出された元祖富山ブラックは、スープが黒光りしてなんとまあ神々しいこと! 見た目はめちゃくちゃ美味しそう。醤油の香りが漂ってくるものの、劇的なショッパさはこの見た目からは感じられませぬ。

まずはスープをゴクリ……。

ふむ、ふむふむふむ…………ふ……む。たしかに、ショッパイ。

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ひとくち飲み、ふたくち飲みとしていくうちに、生醤油的なショッパさが直に味覚に刺さってきます。醤油の濃さは気になるところですが、同時にダシの旨味もありまして、もっと飲みたいのに飲むとぜったいに良くないことが起きる、でも飲みたい……と、変なジレンマにかられることウケ合いです。

麺を持ち上げてみると、これまた実にすばらしく醤油の香ばしい色が麺にしっかりと染みこんでおります。 

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ふむ、麺自体は太麺で程よくコシがあって美味しい。ところが、醤油の威力は色のみならず、味もちゃっかり染み込んでまして、麺を食べようとする度に葛藤にかられるのです。

これを食べてはたして身体は大丈夫か、大丈夫だな、きっと大丈夫だろう、ひゃあーショッパイッ(ドキドキ)、だ、だだ、だ大丈夫、これくらいなんだ、だいじょうぶだ、うむ……。

内心ドキドキしながらも、最初のうちは「こんなものかな」という余裕がありました。ところが、食べていくうちに状況はどんどん激変していくのです! 麺を半分食べ終えるか否かの時点で、味覚が麻痺したのか醤油にそのまま麺を浸して食べているような錯覚を覚え始める始末。しかも、元々塩分に弱い記者、やや頭がクラクラしてきました。水を何倍飲んでも足りないほどに喉はカラカラに。

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チャーシューは、柔らかくてそれ自体は美味しいのですが、醤油スープがこれでもかと染みこんでいて、またヒヤヒヤしながら食べることに。なかでもお客泣かせだったのがメンマでした! きっとそれ自体は美味しいはずのメンマですが、まるで塩付けにしたかのような塩辛さでありました。このメンマだけは、さすがに食べられず残してしまいましたわ。

実は最初から思っていましたがこのスープの濃度、つけ麺のためのスープといえば納得。

昔は、お客さんがご飯(白米)をお店に持ち込んで食べるのが通例だったそうで、今でもご飯片手に食べる人が多いようです。とはいえ、スープの飲み過ぎはくれぐれもご注意を。特に、お酒を飲んだ後に食べる方は要注意ですぞ!

(写真、文=メル凛子)

▼ちなみに富山市内には超オシャレなトラムが走ってます

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▼駅前から乗れる環状線コースに乗ると、お城もみれちゃいますよ!

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▼かっけえええ

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▼新富町で降りると、ほぼ目の前に「大喜 富山駅前店」があります
あまりの衝撃にお店を撮影するのを忘れちゃったので、
もういちど富山ブラック(拡大)

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▼ちなみにこちらが2009年に「寿がきや」から発売されたカップ麺
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