[公開直前☆最新シネマ批評]
1月31日公開の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のプロモーションでレオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーティン・スコセッシ監督が来日しました。株式ブローカーの天国と地獄を描くこの映画にちなんで東京証券取引所で行われた記者会見に行ってきましたよ! 映画紹介とともに記者会見で見た生レオ様の模様をお届けします。
まずは映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』をご紹介しましょう!
【物語】
80年代後半、ウォール街で証券マンとして働きだしたジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)は、26歳で小さな証券会社を設立。ドニー(ジョナ・ヒル)を筆頭とする仲間とともに、富裕層をカモにして大金を稼ぎ、貯金ゼロから億万長者になります。会社も大企業に成長するけれど、ベルフォートのやり方は合法とはいいがたく、FBIに目をつけられることに……。
【レオがどうしても映画化したかった理由】
この映画でレオはプロデュースもしています。映画化に8年かかったのはマーティン・スコセッシ監督の体があくのを待っていたこと、刺激的な内容なので映画化がままならなかったことなど様々な原因があったのですが、レオはどうしても映画化したかったそうです。
「2008年の金融崩壊のときから、世界の事情に興味を持つようになったんだ。ベルフォートは腐敗する金融界を体現する人で、ずっと頭から離れなかった。メチャクチャな快楽を求める人物を探求したかったんだ。そしてベルフォートの物語を映画にすることで、富と権力を追い求めても未来はないってことを世の中の人に知らせたかった。この映画は、世の中に警鐘を鳴らしているんだよ」
レオが、ドラッグを決めまくり、セックスに明け暮れている姿は「ここまでやるか」という刺激的なパフォーマンスですが、彼は「役者はリスクに挑戦すべきだ。僕が退屈でリスクを侵さない役者だったら、いまここにいないよ」と“やるべきことをやった”という自信に満ち溢れていましたね。
【レオとスコセッシ監督の堅い絆】
またスコセッシ監督はベルフォートの快楽にふける姿がショッキングに描かれることについて、
「嘘をつき、人から金を盗むような行為は、その手口も含めてみんな興味を持つことだ。でもそれを礼儀正しく描かないといけないことはないだろう。実情をちゃんと見せるためには礼儀正しさは必要ない」
と、きっぱり。レオはそんなスコセッシ監督に対し「この映画を監督できるのは、キャラクターを重視して正直に映画を作るスコセッシ監督しかいないんだ」と。ふたりのガッツリ堅い信頼関係を目の前で見せていただきました!
【ジョナ・ヒルが打ち明けた撮影エピソード】
初来日のジョナ・ヒルはブラッド・ピット主演『マネーボール』の好演で演技派として火が付き、今回は、ベルフォートをサポートする相棒を演じています。ユーモラスだけど目がちょっとイっちゃってる感じで、うまい! と思いましたが、本人はノホホンとした好感度大の俳優。
お寿司を食べるシーンで
「レオの“ハマチ食べなよ”と言うセリフを僕が言っちゃって、そしたらレオはテイクごとに食べることになってね。食べ過ぎて具合悪くなったんだよ」
と茶目っ気たっぷりに語り、レオも「ハマチをかなり食べさせられたね」と苦笑い。そのシーンは、ベルフォートが転落するあたりに登場しますので要注目!
重く描くこともできた題材ですが、スコセッシ監督は、悪事に手を染めつつも陽気なベルフォートの資質を見抜いて、億万長者になっていくプロセスは軽快で明るいトーン、転落していく様は明るさがどんどん濁っていくようなねじれた感情を露わにしていきます。
アカデミー賞では作品賞・主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)・監督賞(マーティン・スコセッシ)・助演男優賞(ジョナ・ヒル)・脚色賞の主要5部門候補に。特にレオの熱演はこれまでのイメージをくつがえすインパクトなので、受賞してほしい。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を見れば、誰もがそう思うはずです!
(映画ライター・文中の表記ナシ画像=斎藤香)
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
2014年1月31日公開
監督: マーティン・スコセッシ
出演: レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー、マシュー・マコノヒー、ジョン・ファヴロー、カイル・チャンドラー、ロブ・ライナー、ジャン・デュジャルダンほか
(c)2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved..
▼レオ様やっぱり笑顔がすてきです (撮影:斉藤香)
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