そんな時代もあったねと、いつか話せる日がくるわ……。そう歌いながら河原を歩いている記者の百村モモです。片手には缶のハイボール、生ハムと値下げされたおにぎり。いま私、まったく酔えません。だって詐欺に遭ったのですから!!
ことの発端は、以前お世話になっていた会社の先輩から届いた「何してますか? 手伝ってもらってもいいですか」というLINEのメッセージ。受信してから1時間後に気がついた記者は慌てて返信! このとき、まさか先輩のLINEアカウントが詐欺グループに乗っ取られていたなんてつゆしらず……あれよあれよとマジで被害に遭ってしまったのです!!
■普段は頑張り屋さんの先輩から頼られちゃった
連絡をくれた先輩は、めったなことでは人に頼らない頑張り屋さん。そんな先輩から頼られた……と思った記者は、張り切って「どーしましたか!」と返信。ところが、LINE特有の「既読」と表示されているにもかかわらず返事は届かない。どうした先輩!?
■この時、先輩は先輩で大変なことになっていた
あわてた記者は、すぐに先輩に電話するも、やっぱり電話にも出てくれない。後に分かったことですが、実はこのとき、乗っ取られた本人は大変なことになっていたらしい。友人リスト全員に詐欺メッセージが送られ、携帯がフリーズするほどの問い合わせが殺到していたそうな。
当然、そんな事情を知らない記者は、「きっと電話に出られないほど仕事が大変なのだ」と先輩を心配してたのです。
■総額5万円のiTunesカードを買ってくれとの要望
先輩からの要望はこうでした。「iTunesのプリペイドカード10000点のものを5枚購入してくれないか」というご相談だ。総額5万円。た、高すぎる……と思ったが、「お金は明日返してくれる」とのことだし、ちょうど先輩とは翌日に会う約束をしていたので、まったく疑うことなく承諾してみた。
■なんか知らんけど突然イジケた先輩
購入したカードを届けるのが面倒だった記者は、先輩に「明日でもいいか?」と確認。すると先輩は、「いいです」「お疲れさまです」と……なんだかよくわからないが、微妙に冷めた、かつ、イジケた返信をしてきたのです! なっ……なんなんだよ先輩!!
このあたりから、徐々に先輩の発言は「怪しい日本語モード」に突入していくのですが、記者は「先輩は仕事が忙しくて精神的にまいっているから、日本語が変なのだ」……と究極のプラス思考を発揮していました。
そんなことより記者の頭の中は “先輩を怒らせたのかも!” という焦りのほうが勝っており、強気に「動けますよ!(できますよ)」と返事した。頼れる後輩としての心意気を見せたかったのです。その後、コンビニを渡り歩き、5万円分の iTunesカードを購入!
■もっと要求してきた → やっと「え…詐欺?」と気がついた…(バリ遅)
先輩の元へ行く途中、LINEの中の先輩は「購入したカードのシリアルコードの写メ」を要求してきた。人使いの荒さにイラっとした記者であるが、「これで届けに行かずに済むじゃん」とも思い、シリアルコードの写真を素直に送信した。
すると……なんと先輩は……「もっと欲しい」と、さらなる要求してきたのだ! その額、10万円分のiTunesカードである!!
イライラっとした記者は「それは無理」と即答。すると「今お金なんかもっていますか」と返事が来たので、「日本円なら持ってますよ」と皮肉を込めて文字を打ち込もうとした瞬間「ピーンッ」ときたのだ! こいつ……本当に先輩か? てか日本人か!?
……そして、時すでに遅すぎるが、共通の知人に確認したところ、「先輩のLINEアカウントが乗っ取りの被害に遭っていた」ということを今さら知る。なぜもっと早く気づかなかったのか。私のバカ。バカバカバカ!
■「おぉおまわりさぁああんっ!」警察署に行ってみた
わらにもすがる思いで警察署に行くと、「この事件の解決は非常に困難」なのだという説明を受けた。いわく、「LINEを管理している韓国企業に、今回の詐欺事件の件で協力をお願いしたところ断られてしまった」という。なんだよそれ! やりたい放題、乗っ取り放題じゃないか!! っていうか、LINEは日本運営じゃなかったけ?
また、iTunesのシリアルナンバー購入者から割り出すという手も考えられるが、「アップルからも協力を断られてしまった」とのこと。さらにさらに、「すべて海外企業を通してのやりとりであるため、被害届を出しても立件は難しい」とのこと。ホントかよ! 八方塞がりの四面楚歌!! ホントなのかよー!
最後に、解決への突破口はないのか警察に聞いてみたところ、「まずは被害者団体つくって弁護士たてよう」とのアドバイスと、「贅沢」と記載されたチョコボールを慰めとして記者に手渡してくれた。ありがとう、ショックで味しないや……。
以上、本当にあったLINE乗っ取り詐欺事件である。まさか詐欺に遭うなんて思ってもみなかったが、これ以上被害者が出ないためにも、記者の被害体験を記したこの記事を参考にしてほしいと思う。
追記(7月25日):続編「【被害体験レポ】LINE詐欺で失った5万円をとり戻せるのか? ダメ元でアップルに問い合わせてみた」を掲載しました。ぜひご覧くださいませ。
執筆・撮影=百村モモ (c) Pouch
▼頑張りやの先輩から突然のご連絡がきた!! と思っていた
▼先輩の為ならと思い5万円分購入
▼もっと欲しがられた……そんなに必要なのね…。
▼10万円分だと…無理です。
▼スタンプにイラッとした
▼「今お金なんかもってますか」でやっと詐欺だと気がつく
▼眠れなかった…酒にも酔えなかった…
▼警察の方からもらった「贅沢」チョコボール
▼購入した10000点のiTunesカード五枚
▼購入した際のレシートである…
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