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夏の朝を涼しげに彩ってくれる花、アサガオ。

全国的にあまり知られていないのですが、ここ名古屋には、そんじょそこらで生えまくっているアサガオとは「明らかに育ちが違うアサガオ」がございます。名を、『名古屋朝顔』といいます。

盆栽仕立てにした『名古屋朝顔』は、正式には名古屋式盆養切込み作り大輪朝顔といって、その歴史はなんと100年。過去は、この名古屋朝顔を育てることができるのはごく一部の会員に限られていて、育て方も門外不出だったのだそう。言うなればアサガオ界の高貴な姫君というわけです。

そんな姫君が一堂に会する『名古屋朝顔まつり』が、名古屋城の北東にある『名城公園フラワープラザ』で開催中。期間は7/23~27までの5日間。その初日をのぞいてまいりましたよ~。

■ 同じ種類とは思えない大きさ!

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会場に入って、記者は目を疑いました。ええっ、これがほんとにアサガオ? 花の直径が、手のひらほどもある。ふだん、線路沿いのフェンスなんかに巻きついてる、雑草みたいなアサガオと比べると、およそ5倍の大きさです。ミニトマトとトマトくらいの差があります。ザ・大輪。

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ツルを伸ばさず小さく剪定して、大輪のお花に育てるんだそうです。ものすごい存在感。この名古屋朝顔を茶室の床の間に飾って、お茶会で鑑賞したのだそう。

……あれ? アサガオって、文字通り朝咲いて、お昼にはしぼんじゃうよね? どうするのかしら、このアサガオたち。スタッフさんに尋ねてみると、「もちろんアサガオなんで、午前中で終わりですね」とのこと。……あぁ、はかない命なのね。

じゃあ、明日のアサガオはどうするの? 『名古屋朝顔まつり』は5日間あるんだよ? これには「5日分の鉢を用意してあるので、毎日入れ替えます」だって! すごい!

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フラワーパークの裏手に回ると、出番を待つ大量の鉢が! スタッフさんが丁寧に手入れしていました。

■ 清楚な『肥後朝顔』も

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豪華な『名古屋朝顔』の裏には、九州より参加の上品な『肥後朝顔』の鉢が並びます。こちらは、大輪ではありませんが清楚で可憐。ツルをすこしだけ伸ばした根元にお花を咲かせて、鉢、花、草姿の調和を愛でる『行儀作り』という仕立て方。

■ これもアサガオ? いろんな種類の『変わり朝顔』

さらに、『変わり朝顔』もございます。

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おしべが花びらのように変化した八重タイプや……

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お花にも葉っぱにも切れ込みが入ってツンツンしているもの。

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「お水が足りなくなったの?」って思っちゃうくらい、葉っぱがクリンクリンに丸まっちゃってるものなど。

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お花は切れ込みタイプ、葉っぱはクリンクリンタイプという、掛け合わせにこだわったアサガオも。

アサガオの品種はかなり研究されていて、専門の『朝顔ブリーダー』もいるんだって!

「朝顔まつりだなんて大げさだなぁ」と冷やかし半分でのぞいてみた記者でしたが、あまりに本格的なアサガオの数々に、「これは頭が高い」と、写真を撮るその腰がだんだん低くなってしまいました。

『名古屋朝顔まつり』は7/23~27までの5日間。入場無料だけど、アサガオなので午前中いっぱい(9時~12時)で終了です。

参考=名城公園フラワープラザ
撮影・ 執筆=綾部 綾 (c)Pouch

▼ 本日の朝顔コンテストNO.1はこの姫君。午前中だけの艶姿。
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▼ 楚々としたたたずまいの『肥後朝顔』
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▼ 波打つような凹凸が美しい
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▼ 細長い葉っぱがクルンと巻いている
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▼ おしべが花びらみたいになってるね
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▼ カーネーションみたい!
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▼ しだれ朝顔は、ガーデニングにも応用できそう!
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▼ お水に浮かべてもキレイ!
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▼ 翌日以降の出番を待つアサガオたち。手入れに余念がありません。
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