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恵比寿駅から徒歩2分。かつての市場の姿をぼんやりと残しつつ、現在21軒の個性的な飲食店が軒を連ねる「恵比寿横丁」に足を踏み入れると、どこか心地よさもある雑多な香りが漂い、そして、飛び交う客同士の笑い声。なんだか今日も景気いいな。

隣の店との境がなくフリーダムな通路では、他のお客さんにぶつからないようご注意を。そのまま突き当りまで歩いたら、そこにあるのが今日のお目当ての店。その名も、馬肉好きなら一度は訪れておきたい「肉寿司」です。

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◆攻めるべきは盛り合わせ

単品でも注文できますが、まずは色々な部位を楽しむことができる「寿の足音盛り合わせ」(1600円)がおすすめ。内容は「赤身」「中落ち」「ハラミ」「ネギトロ」の4種。実はこれ、それぞれを単品で注文した場合、計1900円なので、盛り合わせなら300円もお得なんですって。
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◆生馬肉、そのお味は

実際に食べてみると、モチモチとした中落ち、炙ってアクセントを利かせたハラミ、跳ね返すような弾力の赤身、そして赤身とこうねのとろとろ軍艦……。まったくもって甲乙つけがたい旨さ。あえていうならば、男性には赤身、女性には中落ちが好まれそう。さらにツボをくすぐられるのは、酢飯の温かさで脂がいい感じに溶けているところ。とはいっても遠慮がちに、そして上品に。

ところで、高いイメージがある馬肉ですが、このコストパフォーマンスの良さにはどんな秘密があるのでしょうか。店長さんに直撃しました。
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◆安くて旨い馬肉の秘密は……

今年で4年目を迎える「肉寿司」を運営するのは、店舗の企画からデザインまで手掛ける株式会社スパイスワークス(東京都・港区)。「好きな部位はネギトロと軍艦」という店長中村さんによると、気軽に来てもらえるような価格設定を目指し、熊本などの国産ではなくカナダ産のものを中心に使うことで、1貫180円~という価格が実現したそう。また、寿司として食すことを考慮すると、脂が濃厚な国産馬肉よりもカナダ産の方がさっぱりしていて、酢飯との相性も良いのだとか。
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◆馬肉だけじゃない!

馬肉といえばお任せあれ、な同店ですが、実は店長さんおすすめの特別な牛肉もありました。その名も「さしとろ」!! ネーミングだけでよだれが出そうじゃあございませんか。

さしが繊細に入った、かつ顔くらいありそうな大きさの牛肉を、店長さんが目の前でバーナーを使って炙ってくれるので、その「溶解」の様子をライブ感覚で味わえ、視覚的にも美味しい1品です。ピンク色に紅潮した肉を頬張ると、肉汁とともに贅沢な甘みが広がるったら! そして、一瞬にして溶けてなくなりました。1貫680円と他のものより少々お高めですが、それだけの……いや、それ以上の価値あり。
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カウンター4席、テーブル4卓にもかかわらず、多い時には1日80人来店するという「肉寿司」。馬肉を安価に、そして生肉好きを唸らせるクオリティで、肉好きにはメッカ(聖地)のような存在です。気になった方はぜひ。

【肉寿司 恵比寿横丁店】
住所 東京都渋谷区恵比寿1-7-4 恵比寿横丁内
電話番号 03-3444-7005 ※予約不可
営業時間 17:00~翌5:00
定休日 日・祝

取材・執筆・撮影=井上こん(c)Pouch
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